読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『平成特撮世代 新時代のゴジラ、ガメラ、ウルトラマンと仮面ライダー』(中沢健)

『平成特撮世代 新時代のゴジラガメラウルトラマン仮面ライダー』(中沢健

 

「動く待ち合わせ場所」で有名な中沢健さんの本。

中沢さんはウルトラシリーズでは『ウルトラゾーン』の脚本を何本か手がけている。

 

中沢さんが怪獣と出会った80年代中盤から現在2016年までの約30年間を取り上げている。

「平成特撮時代」ではなく「平成特撮世代」と言うタイトルが示すように、平成特撮作品やそれらが公開された時代を語るのではなく、それらを見て育った中沢さんの人生を語っている。

これまでの書籍で特撮作品について語る人達はその殆どが「子供時代に昭和の特撮作品を見ていた人達」で、その人達は「子供時代に昭和特撮を見て、その延長で平成特撮を見て語る」と言う形になっている事が多い。言ってしまえば「大人目線で平成特撮を語る」となるのだ。しかし、ゴジラを始めとする多くの特撮作品は子供をメインターゲットとしている。それならば「子供時代に平成特撮を見ていた人達の感想」が必要となってくる。中沢さんはその「子供時代に平成特撮を見ていた人」なのだ。

この本は中沢さんが平成特撮をどのように見ていたのかを語る本であり、これまで「子供時代に昭和の特撮を見ていた人達」が多くを占めていた特撮評論の場で「子供時代に平成特撮を見ていた人」が自己紹介を行った本と言える。

 

約250ページで平成特撮全てを取り上げるのは不可能なので、平成のゴジラ作品を中心に平成ガメラ、平成ウルトラ三部作、平成ライダー初期の他、スーパー戦隊仮面ノリダーエヴァンゲリオンと言った作品もなるべく取り上げるようにすると言う構成になっている。

なので「この作品が取り上げられていない」「この作品の紹介が少ない」と感じる人もいると思うが、この本をきっかけに今度は別の平成特撮世代による平成ゴジラ論や平成ガメラ論や平成ウルトラ論や平成ライダー論をガッツリと書いた本が出るようになれば良いと思う。この本はあくまで「始まり」であり、これまで昭和特撮世代が占めていた特撮評論の場に平成特撮世代が「これからは我々も声を上げていく」と宣言した本なのだ。

 

平成特撮世代と言えば中沢健さんよりさらに若いガイガン山崎さんはずっと以前から特撮について書いているし、ネットを見れば平成特撮世代の人達がサイトやブログやtwitter等で特撮について色々と語っている。平成特撮世代が声を上げたのはこの本が始まりではない。ただし、やはりこういう本を一冊作るか作らないかと言うのは大きいと思う。本の力が弱くなったと言われてはいるが、自分(1978年生まれ)はまだ本の力と言うのを感じるし、自分より上の世代はそれがさらに強いと思われる。本と言う形にする事で違う世代の人達にも「平成特撮世代」と言う存在を伝える事が出来るのではないかと自分は考える。

 

自分は1978年生まれで中沢さんより少し年上だが見てきた作品は大体一緒であった。自分より年上の人達が書いてきた特撮関連の書籍は自分が生まれる前の作品について語られていて、どことなく「教科書」「参考書」と言った感じがあり、それを読んで特撮について「勉強」すると言う意識がどこかにあった。しかし、この本に書かれている作品の多くは自分が子供の頃に見ていたものばかりなので、この本に対しても「教科書」「参考書」「勉強」と言った意識は無く、「趣味の合う同年代の人が子供時代に見ていた作品の思い出を語っている」となっていて、それを読む自分も子供時代を思い出して楽しくなり自分語りを始めたくなった。

 

平成特撮は平成ゴジラ平成ガメラ、平成ウルトラ、平成ライダースーパー戦隊とそれぞれのシリーズに別れての評論はよく目にするが、それらを全て合わせた「平成の作品達」と言う括りで語っていく形は意外と少ない。

各シリーズのスタッフもファンも重なる部分が多いはずだし、他のシリーズを全く意識しないで作られる作品と言うのはそうそう無いはずなので、この本のように「シリーズごとに分けず、その時代に作られた作品達」と言う括りの特撮評論はこれからも増えてほしい。