shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『「ウルトラマン」の飛翔』(白石雅彦)

『「ウルトラマン」の飛翔』(白石雅彦)

 

『「ウルトラQ」の誕生』に続く、白石雅彦さんによるウルトラ作品誕生の軌跡を追う本。

現在、ウルトラシリーズに関する本は数多くあるが、その殆どが作品のドラマやテーマに対する分析や感想、またはウルトラマンや怪獣を中心に取り上げたものとなっていて、この本にように資料に基づいて作品の軌跡を追うものは少ない。

しかし、ウルトラシリーズも50年の歴史を持ち、単なる一番組に留まらず現在の日本に多大な影響を与える作品となった。『ウルトラQ』『ウルトラマン』はもはや「ウルトラシリーズ」や「特撮」と言った枠に収まるものではなく、日本のカルチャーにおいて重要な位置を占めるものとなっている。これらの作品の製作時の出来事はまさに「歴史的事実」であり、それを明らかにし伝えなければいけない時期に達したのだと思う。

 

この本を読むと、『ウルトラQ』『ウルトラマン』と言う有名作品であっても自分はその作品の製作時の事をよく知らなかった事が分かる。前作でのオプチカル・プリンターの話もそうだが、ウルトラ関連書籍に一言二言書かれているのを読んで当時を理解したつもりになっていたが、実際はそんな一言二言でまとめられないほどに色々な事情があったと言う事を気付かされる。よく考えたら、TV番組を一つ作るのにそんな簡単な事情しかないと言う事はありえないのだが、正直言って、その事をこの本を読むまで自分は完全に失念していた。

この本はそう言う新たな発見に満ちていて、読めばもう一度『ウルトラQ』『ウルトラマン』を見たくなると思う。(それも制作順に見たくなると思う)

 

最後にちょっと気になった点が一つだけ。

全体的にドキュメンタリーな作りになっているのだが、金城哲夫さんに関する部分は著者の推測による部分が多く、切通理作さんの『怪獣使いと少年』がいきなり入り込んだ感じになってちょっと違和感を覚えた。ここは金城さんが既に故人でインタビュー等で作品に関する話を聞けなかったので、残された状況から推測していくしかなかったからなのかなと感じる。