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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『帰ってきたウルトラマン』まとめ

帰ってきたウルトラマン

帰ってきたウルトラマン

1971年4月2日~1972年3月31日放送

 

概要

2年半振りに帰ってきたウルトラマンシリーズにして第2期ウルトラシリーズ第1弾。

 

ウルトラセブン』終了と共に終息したと思われた怪獣ブームだったが、『ウルトラファイト』のヒットを受けた円谷プロとTBSは怪獣ブームがまだ続いている事を確信し、初代ウルトラマンが帰って来る『続・ウルトラマン』を企画した。ただし、スポンサーの要望でウルトラマンのデザインが変更された為、結果的に初代ウルトラマンとは違う新ウルトラマンが誕生する事になった。

それに伴い、ハヤタ隊員やムラマツキャップは登場しない、『ウルトラマン』とは切り離された新しい世界観が作られる事となった。

 

怪獣や宇宙人等からドラマを展開した第1期ウルトラシリーズと違い、『帰ってきたウルトラマン』は人間からドラマが展開されるようになった。これはTBSの橋本洋二プロデューサーの意向だったらしい。

 

因みに帰ってきたウルトラマンには数多くの名前がある。

帰ってきたウルトラマン』におけるウルトラマン、『ウルトラマンA』でのウルトラマン二世、『ウルトラマンT』以降の新ウルトラマン(新マン)、『ウルトラマンZOFFY』以降のウルトラマンジャック等。又、作品名を略して帰マンや帰りマンとも呼ばれている。

 

主人公である郷秀樹の名前について、郷ひろみ西城秀樹を合わせた安易な名前と言われる事があるが、郷ひろみ西城秀樹がデビューしたのは1972年。つまり、無関係である。

 

 

登場人物

ウルトラマン(菊池英一 谷津勲)

身長 40m

体重 3万5千t

M78星雲ウルトラの星からやって来た新しいウルトラマン。自分の危険も省みずに子供を助けようとした郷秀樹の勇敢な行動に感動し、自分の命を預けて一心同体となり、一緒に地球の平和と人類の自由の為に頑張る。

戦いではスペシウム光線やウルトラキック等を使用。後にウルトラセブンから万能武器ウルトラブレスレットを授けられる。

郷秀樹の精神とシンクロしていて、郷秀樹の肉体や精神状態に戦闘能力が左右される事がある。

地球上では太陽エネルギーを急激に消耗してしまう為、3分間しか活動できない。

最後はバッド星人の侵略に立ち向かう為、ウルトラの星に帰還する事になった。

 

 

MAT

国際連合機構の地球防衛組織に属する組織でMonster Attack Teamの略称。別称、怪獣攻撃隊。

ニューヨークに本部を持ち、世界各地に支部がある。日本支部は東京湾海底にある。

日本支部には旧日本軍の関係者が多く在籍していて自衛隊との縄張り争いも見られる。組織としては弱い位置に属し、世論や上層部から常に解散の圧力をかけられている。

 

郷秀樹(団次郎

23歳。子供を助けようとして一度は命を落とすが、ウルトラマンの命を預けられて復活した。坂田自動車修理工場で働きながらレーサーを目指していたが、加藤隊長の推薦を受け、テストを経てMATに入隊した。

ウルトラマンと一心同体になった事で身体能力が急激に上昇し、怪獣を探知する能力も身に付けた。

限界まで追い詰められるとウルトラマンに変身する。後半は自分の意思で変身できるようになっていく。

当初は他の隊員との軋轢に悩んでいたが、やがて人間的に成長していき、それに伴って透視能力やテレパシー等も使用できるようになった。

最後はウルトラの星の危機を救うべく地球から旅立った。

 

加藤勝一郎(塚本信夫)

38歳。MATの初代隊長。

常に組織の和を重んじ、何かと対立が多いMAT隊員を苦心してまとめていった。又、世論や上層部からの圧力も隊員に代わって一身に受ける事が多かった。

親友であるMATステーションの梶キャプテンが命を落とすと、後を継いでMATステーションに転任した。

 

伊吹竜(根上淳

46歳。加藤隊長の元上官でMATの2代目隊長。

戦いにおいては厳しさと強力なリーダーシップで隊員達を率いるが、戦い以外では優しい温和な表情も見せる。

美奈子と言う一人娘がいるが、宇宙人に利用されて窮地に立たされる事もあった。

郷がウルトラマンだと言う事に気付いていたらしい。

 

南猛(池田駿介

25歳。岸田隊員と共にMATのサブリーダー的存在で「アメ」の部分。

子供時代に「じゃみっ子」と虐められていた体験からか他人を思いやる優しい兄貴分。

 

岸田文夫(西田健

25歳。南隊員と共にMMATのサブリーダー的存在で「ムチ」の部分。

兵器開発や怪獣の生態に詳しい。

軍人一家のエリートだが父親が旧日本軍で毒ガス製造に関わっていた事を知って苦悩する。

郷との対立が激しかったが、後に打ち解けて最も気が合う友人となった。意外とひょうきんな部分がある。


上野一平(三井恒)

23歳。郷と同年齢の為か実はMATで一番多く郷と一緒に行動していた。

天涯孤独の身でMATを自分の家と思っている。ひょうきんだが暗い部分もある。

育ての親である小泉博士の娘チドリを気にかけているが、それが恋愛か兄妹愛かは不明。


丘ユリ子(桂木美加)

20歳。主に通信を担当しているが実は格闘においてMATでも抜きん出た存在。

ロングヘアーだったが後にショートカットにした。意外と乙女な部分がある。

 

岸田(藤田進)

岸田隊員の叔父で地球防衛庁の長官。ウルトラマンに依存してしまっている。怪獣打倒の目的は同じだが、現場を知らず机上の理論を振り回すのでMATとの間に溝がある。


佐竹(佐原健二

地球防衛庁の参謀。怪獣を倒せなければMATに存在理由は無いと考えている。一方で自分の非は素直に認める事が出来る。

当初は佐川と言う名前だったが途中から佐竹に変わった。婿養子に入った?

 

坂田家・村野家

坂田健(岸田森

28歳。郷にとって人生の道標と言うべき存在。レーサーだったが、レース中の事故で足を負傷して断念。その夢を郷に託し、坂田自動車修理工場を経営しながら、フォーミュラーカー「流星号」を製作する。

ナックル星人に殺害されるが、考案したスタビライザーはマットビハイクルに採用され、その意志は残った。


坂田アキ(榊原るみ

18歳。郷の恋人。郷がMATに入隊して会う機会が減って悲しむが健気に耐える。普段は洋品店に勤めている。

郷の為に買い物に出かけたりデートに行くと必ずと言っていいほど事件に巻き込まれてしまう。

ナックル星人に殺害されてしまい、郷の心に深い傷を残す事となった。


坂田次郎(川口英樹)

11歳。郷を兄のように慕う。よく事件に巻き込まれてしまう。坂田さんとアキちゃんの死後は郷に引き取られた。

最後は「ウルトラ5つの誓い」を叫びながら郷の旅立ちを見送った

 

村野ルミ子(岩崎和子)

大学生。郷の部屋の隣に住んでいる。坂田さんとアキちゃんを殺された次郎君を慰め、その関係で郷と知り合う。やがて郷に想いを寄せるようになるが、郷がアキちゃんの事を忘れられなかった為、その想いは実らなかった。

 

ナレーション(名古屋章


主題歌・・・『帰ってきたウルトラマン

 

 

総括

帰ってきたウルトラマン』最大の特徴は人間ドラマを組み込んだ事であろう。

ウルトラマン』で怪獣を、『ウルトラセブン』で宇宙人を究めたので、『帰ってきたウルトラマン』で怪獣や宇宙人を中心にドラマを組み立てる事は難しくなってしまった。

元々、怪獣や宇宙人は実際には存在しないものなのでスタッフの想像力が勝負となる。メインのスタッフはあまり変わっていないので、数年もしたらアイディアが尽きてしまうのは当然であろう。

しかし、人間ドラマはこの世に人間が存在し続ける限り無限に生み出されていく。よほど限られた設定を使い続けない限りは話に困る事が無い。『帰ってきたウルトラマン』が人間ドラマを組み込んだ事でウルトラシリーズは21世紀に至る現在まで脈々と続いているのだ。

 

主役が怪獣や宇宙人から人間に変わった事で郷はハヤタ隊員やモロボシ・ダン以上にヒーローと強調される事になった。

郷の変身シーンは変身道具も変身ポーズも無く、人間として限界になった時に変身できる。その為、簡単に変身できたハヤタ隊員やモロボシ・ダンと違って、変身にカタルシスを生み出す事が出来た。

又、ウルトラマン初代ウルトラマンウルトラセブンのように無敵でないからこそ勝利の時のカタルシスが生まれた。その他、精神力で戦闘能力が変化したり、万能武器ウルトラブレスレットが登場した事も戦闘におけるカタルシスを生み出した。

帰ってきたウルトラマン』はヒーロー作品で一番大事なカタルシスを生み出す事に成功した作品なのだ。

 

後のウルトラシリーズは『帰ってきたウルトラマン』をモデルにしている作品が多い。『ウルトラマンティガ』がセブン的だとか『ウルトラマンダイナ』がマン的だとか言われているが、それは雰囲気がシリアスかコミカルかで実際は『帰ってきたウルトラマン』に近い。

事件を通して成長する主人公、友情や愛を深めていく仲間達、ウルトラ戦士の多彩な能力、強くなっていく敵、事件に関わった人々が紡ぐ人間模様。これらの要素は『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』にもあったが、明確に示したのは『帰ってきたウルトラマン』である。『帰ってきたウルトラマン』はウルトラシリーズの基本フォーマットを完成させた作品と言えよう。

 

帰ってきたウルトラマン』以降は路線や設定の変更が多い。

路線変更は一般にマイナスイメージで捉えられる。実際、視聴率が低い為に行われるので無いに越した事は無いが、上手く使えば新しい設定が作品に活力を与える事になる。『帰ってきたウルトラマン』はその成功例。

ウルトラブレスレットによる多彩な能力。地球怪獣、宇宙怪獣、宇宙人と強くなっていく敵。スケジュールの都合による坂田兄妹死亡を最大のクライマックスに展開。これら全てが郷の成長を成していくようになるのは見事としか言いようがない。

 

そして『帰ってきたウルトラマン』最大の功績はウルトラシリーズを復活させた事にある。この事により、シリーズが一時中断しても何年後かには復活できるようになり、ウルトラマンは国民的な人気と知名度を獲得していく事になる。

もし『帰ってきたウルトラマン』が制作されず、第1期ウルトラシリーズのみだったらどうなっていたか? いかに第1期ウルトラシリーズが魅力的でも、その作品をリアルタイムで見た世代にしか話題にならなくなってしまい、おそらく現在のような人気と知名度は得られなかったと思う。次の世代にも話題になる為には再放送だけではなく実際に新作を作らなければいけないのだ。