shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『スーサイド・スクワッド』(2016年公開)

スーサイド・スクワッド』(SUICIDE SQUAD)

2016年8月5日アメリカ公開

監督 デヴィッド・エアー

脚本 デヴィッド・エアー

 

DCフィルムズ第3弾。

 

自分はヒーロー集結も好きだが敵キャラ集結も好き。

シニスター・シックス』は残念ながら実現しなかったが、遂に本作で敵キャラ集結映画が実現した。と言っても過去に実写映画に登場したキャラがジョーカーだけなので、あまり集結モノと言う感じはしないのだが…。

 

スーパーマンと言う人間に味方してくれるメタヒューマンがいなくなった為、いつか人間に危害を及ぼすメタヒューマンが現れた時への備えが必要だとして結成されたのがタスク・フォースXこと「スーサイド・スクワッド」。

スーパーマンバットマンがアメリカ政府の管理下に置けないのなら彼らが戦ってきた悪人達をアメリカ政府が管理して兵器にすれば良いと言う発想で、どう考えても制御しきれないだろうと思いきや、責任者であるアマンダ・ウォラーの悪人達を上回る非情さで見事に制御していた。家族がいたならそれを脅しに使う、わざと恋愛関係にさせて裏切れないようにする、首に爆弾を仕掛ける、化け物が現れたらそれをチーム運用の実験に使うと、よくもまぁここまでやれるものだと思うが、ここまでやらなければこのメンツを押さえるのは無理なのだろう。

 

デッドショットは演じるウィル・スミスの印象もあって「良きパパ」なキャラとなっていて主人公向きのキャラであった。その一方でエンチャントレスが見せた「望みの世界」が「娘との生活」ではなくて「バットマンを仕留める」だったり、最後に娘に向かって楽しそうに狙撃について語っている場面を見るに、彼はあくまで「狙撃手」だと言う事が分かる。あそこで「娘との生活」を見せなかったところが本作ならではと言える。どんなに娘想いで仲間想いでも彼の本質は「狙撃手」なのだ。

 

ハーレイ・クインは予告通りのイメージ。あのキャラを無理無く演じられるマーゴット・ロビーが素晴らしい。

自分はアニメ版のピエロのようなデザインが好きで、本作でもチラッとそれが出ているのだが、やっぱりあれはアニメや漫画向きであって実写には不向きであった。やるんだったらもっと子供じゃないと似合わないんだろうな。

ハーレイ・クインジョーカーに恋してジョーカーの価値観に染められて動くようになった女性。彼氏が変わると趣味がガラリと変わる女性だ。ジョーカーと一緒に数々の修羅場をくぐり抜けてきたからか、ヤバい状況でも平然としているのがさすが。そして、意外と強かったのに驚いた。いや、だって、普通の人間が野球のバットを振り回して化け物を次々にぶち倒していくんだぜ。凄いぞ、ハーレイ・クイン

 

今回はハーレイ・クイン視点と言う事もあるがジョーカーが完全に王子様のポジションであった。自分はジョーカーはもう少し冷酷な部分があると思っていたのだが、まさかここまで頼りになって格好良く描かれるとは思わなかった。

ジョーカーのキャラはダークナイト三部作ではなくて、ティム・バートン監督の『バットマン』に登場したジョーカーに近い。ダークナイト三部作のジョーカーはバットマンやハービー・デントと言ったヒーローと言う存在を揺さぶるキャラであったが、ティム・バートン監督版や本作のジョーカーはあくまでマフィアやギャングのボスで、女性にものめり込んでいる。

 

ブーメランは実に良いキャラをしていた。ヤバい状況になると身を隠すしすぐにお酒を飲むしと絶対にいつか裏切ると思っていたら意外と最後まで人情派だった。その一方でオーストラリアでの盗みでは平気で相棒を殺しているし、今回も首の爆弾を確認する為にスリップノットを利用して死なせている。この極端なウェットさとドライさが同居しているのが面白かった。

 

ディアブロとキラークロックは自身の能力や外見によって不遇な人生を歩み、その結果、刑務所に入る事に。

ディアブロの家族を殺して心に傷を負い、その後、新たな仲間と出会って再び目的を持つようになると言うのは王道のドラマ展開と言える。ただ、最後に自分を犠牲にしての作戦を行う辺り、この戦いが終わった後まで生きるつもりは無かったのかもしれない。最後に仲間が出来た事は彼にとって幸せだった…と思いたい。

キラークロックは描写が少ないが人間社会から離れて過ごすようになって性格も人間離れしてきたと言う説明があるので、人間であるデッドショット達と一緒にいる中で再び人間らしくなっていったと言う事かな?

 

カタナはデッドショット達と違ってフラッグの護衛として登場している。スーサイド・スクワッドに合流する前にある殺しをしていたらしいが、日本の暗殺者と言う設定なので、これはアメリカ政府とは無関係の仕事だったと思われる。カタナ個人でか、それともカタナが所属する組織があるかは分からないが、アメリカ政府と何らかの契約を結んで協力していると言う感じかな。フラッグの護衛と言う割にはフラッグに忠誠を誓っている感じが無いので。

デザインを見て、もっとドスのきいた声をイメージしていたのだが、福原かれんさんは結構可愛い声だった。

 

フラッグは政府側の人間なのだが、ジューンへの恋心をアマンダ・ウォラーに利用されているところはデッドショット達と同じ。彼は政府側でもありスーサイド・スクワッド側でもあり、政府側でなければスーサイド・スクワッド側でもないと言う微妙な立ち位置。

本来なら本作の主人公になるべき位置なのだが、デッドショットが主人公なのでフラッグの描き込みが弱かったのが残念。

 

エンチャントレスはデザインが最高だった。

終盤の決戦時で暗闇の中で赤い目が光る場面が格好良かった。

エンチャントレスの場面に限らないが、本作はセンスの良い映像が多くあって楽しめる。

 

今までのDCフィルムズは暗めで静かな雰囲気でダークナイト三部作に近い感じだったが本作は鮮やかなカラーと共に音楽が鳴らされる等、ジョエル・シュマッカー監督版に近い感じになっている。テーマやドラマより個性豊かなキャラを中心に据えると言うのも近いかな? あと、エンチャントレスを倒せちゃうのもジョエル・シュマッカー監督版に近いと言える。『バットマン フォーエヴァー』のトゥー・フェイスや『Mr.フリーズの逆襲』のポイズン・アイビー等も行動を起こす理由は同情すべきエピソードになっているのだが「敵だから」と言う事でバットマン達は迷い無く倒している。こうして見ると本作はDCフィルムズにジョエル・シュマッカー監督版の要素を組み込んだ作品と言える。

 

本作はテーマやドラマよりもキャラの個性や掛け合いを楽しむと言う内容になっている。映画として見ると全体的なバランスが悪くて色々と惜しい作品。『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のアルティメット・エディションを見て思ったのだが、DCフィルムズは編集が上手くない。

本作も2016年に発売された「エクステンデッド版」では劇場公開版ではカットされた場面が復活してストーリーが分かりやすくまとまっているのだが、やはり映画は最初の劇場公開版を完成形にしてほしい。さすがに後で発売されたソフト版の方が話がまとまっていると言うのを2作続けてしてしまうのは問題。