読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『仮面ライダー1号』(2016年公開)

仮面ライダーゴースト

仮面ライダー1号

2016年3月26日公開

脚本 井上敏樹

監督 金田治

 

東映の『スーパーヒーローイヤー』の1作。

春映画だが今回はオールライダーではなく「仮面ライダー1号」をメインにしている。

 

本郷猛の登場が作品の軸となっているが、正確には「『仮面ライダー』の本郷猛」ではなく「藤岡弘、」の物語と言える。例えば『仮面ライダー』の本郷猛は科学者なのだが本作では肉体労働をしたりと肉体派である藤岡さんのイメージに沿った展開となっている。つまり本作は「最初の仮面ライダーを演じた藤岡弘、さんからのメッセージ」なのだ。

 

これまでの映画でも出演する役者を前面に押し出した作りがされた作品はあったが、やはり『仮面ライダー』と言う作品で最も前面に押し出せる役者となればそれは藤岡さんと言う事になり、本作は藤岡さんだからこそ成り立つ作品だと言える。

 

なので本作を見るにあたって注意したいのは「『仮面ライダー』の本郷猛に思い入れのある人は違和感を覚える可能性がある」と言う事であろう。逆に本郷猛にあまり思い入れの無い人や藤岡さんが好きな人や仮面ライダーと言えば藤岡さんと言うイメージを抱いている人は違和感無く見られると思う。

 

本郷猛絡みのシーンで言えば、やはり立花レーシングクラブのシーンが良い。おやっさんも既に亡くなっているが、そのおやっさんが整備したネオ・サイクロンに乗る事で、本郷猛はおやっさんと共に戦いに向かうと言う構図が泣ける。

 

1号の新たな姿は今の藤岡さんが変身するのならこの方が違和感は無いのだろうが、実際に動いている場面を見てもあまりカッコ良く感じられなかったのは残念。もう少しカッコ良く見せられたと思うんだけどな。

 

本郷猛の死と復活は理屈どうこうと言うより「ヒーローと言うのはこういうものだろ!」と言うのがあって自分的にはアリ!

 

麻由はおやっさんの孫と言う設定や本郷猛がもう一人前だと判断したと言う展開を考えるに、もう少し年上の方が良かったと思う。いくら何でも中学生の女の子を一人残すと言うのは本郷猛らしくない。個人的には『仮面ライダー』の本郷猛と同じ大学生にしてほしかった。

 

旧ショッカーの力による支配に限界を感じてウルガ達が新たに経済による支配を掲げてノバショッカーを結成する流れが面白かった。『仮面ライダー』では首領が旧ショッカーにゲルダムを合わせて新たにゲルショッカーを作るが、首領のいない本作ではショッカーが旧ショッカーとノバショッカーに分裂すると言う流れになった。残念なのはノバエネルギーを使ったノバショッカーの戦略がイマイチ分かり難くて旧ショッカーとの違いがあまり出ていなかったところ。ここは話のメインではないので仕方が無いとも言えるが、旧ショッカーとノバショッカーの話はもっとじっくりやっても面白かったと思う。首領がいなくても大幹部の地獄大使を中心に組織を運営する旧ショッカーと明確なボスを設定せずにウルガ、イーグラ、バッファルの三幹部が対等の関係であるノバショッカーと言うように悪の組織の変化と言うのはこれまでの作品でもあまり取り上げていなかったので今後発展させていってほしい要素である。

 

本作の燃えどころの一つである地獄大使のエピソード。

仮面ライダーをライバル視しながらもどこか自分と繋がっていると感じられる存在と言えば、やはり地獄大使になると思う。ゾル大佐、死神博士ブラック将軍と大幹部は他にもいるが、この構図が成り立つのは地獄大使だけだと思う。

その地獄大使仮面ライダーとの共闘も熱いが、鞭を使ったアクションもカッコ良く、こういう敵キャラを見たかった!と感動を覚えた。やはり、ヒーロー作品には敵のカッコ良さも必須であると改めて思った。

 

脚本は井上さん。『仮面ライダーカブト』の時も思ったが、この人は登場人物の人間関係やキャラを整理するのが上手い。本作だとタケルが教育実習で学校に潜入するエピソードでタケルが元々は普通の男の子であった事を描いているし、そのタケルに嫉妬を見せるアカリやそれをからかう御成と言ったように『ゴースト』メインキャラを的確に紹介している。特に御成はちゃんとお坊さんをしていた場面があったのが嬉しい。あと仮面ライダー1号こと本郷猛を英雄として『ゴースト』の設定と合わせていたのが良かった。これによって『ゴースト』と「仮面ライダー1号」の話が無理無く繋がった。

井上さんの父親である伊上勝さんは『仮面ライダー』のメインライターであったが、『仮面ライダーキバ』に比べると本作は父子と言う感じが薄い。麻由はおやっさんの「孫」だし、藤岡さんが若く見えると言っても年齢的には麻由やタケルの父親より遥かに年上になるので、父子の構図は無理があったのだろう。

 

金田監督は『仮面ライダー』の頃から関わっているスタッフと言う事だが、演出的には首を捻る場面が多かった。本作はこれまでのオールライダーと違って乱戦は少なくて全体的にドラマや役者の演技を見せる作品だったので、アクション向きの金田監督よりはドラマや演技を見せる石田監督で見てみたかったところがある。