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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

白倉プロデューサーが「最近の仮面ライダーは面白くない」と発言した意味を考えてみる。

雑感

仮面ライダーアマゾンズ』の制作発表記者会見でプロデューサーの白倉伸一郎さんは「最近、『仮面ライダー』って面白いですかね。個人的にはここ数年、あまり面白いとは思わなくて」と発言した。

 当然の事ながらこの発言は物議を醸した。

一ファンならともかく、東映で立場のある白倉プロデューサーがどうしてこのような発言をしたのか。

本当に最近の仮面ライダーは面白くないと思っていたからそう発言した、と言うのは考えにくい。たとえ思っていたとしても口には出さないであろう。記者会見の場で自分の会社の作品を公然と批判する人物では、その会社にいて、まして出世するのは難しい。しかし、白倉プロデューサーは東映にいて出世もしている。と言う事はこの発言は単なる自分の会社の作品への批判ではなかったと言う考えが浮かんでくる。

 

『アマゾンズ』の記者会見での発言以外にも白倉プロデューサーは挑発的な言動を取る事があった。その言動を見て自分がふと思い出したのがプロレスラーである。

プロレスラーはリングの上での試合で自分のプロレスを見せる一方、リングの外でも記者会見やインタビュー等で自分が見せるプロレス像を語ったりしている。白倉プロデューサーの場合は「リングの上での試合」が『アマゾンズ』や『仮面ライダー1号』と言った作品であり、「リングの外での発言」が雑誌や記者会見での発言となる。

そう考えると、白倉プロデューサーの自分の作品に対する大きな発言とか他の作品やファンに対する煽りとかもプロレスラーの言う「俺が最強だ!」とか「テメーのプロレスはツマんねーんだよ!」とかと同じマイクパフォーマンスなのだと分かる。

 

最近の仮面ライダーに対する批判と言えば、『仮面ライダー1号』に関連した宇野常寛さんのニコ生放送に井上敏樹さんと白倉プロデューサーが出演した時にも宇野さんが最近の仮面ライダーに苦言を呈した事があった。

宇野さんは自身の発言に対する批判に対して「場の空気を読めと言う圧力」と返したが、自分の印象では宇野さんは「場の空気を読めない人」ではなくて「場の空気を読める人」である。本当に宇野さんが場の空気を一切読めずに好き勝手な発言をする人であったら、人脈は築けないし、番組出演も無いし、本の出版やら色々な企画やらだって立てられないであろう。白倉プロデューサーも立場のある人物なのでプライベートで付き合うならともかく、自身の仕事に関わる所で場の空気を読めずに発言する人と組むとは考えられない。と言う事は、宇野さんはあの放送で最近の仮面ライダーに苦言を呈しても白倉プロデューサーは困らないと判断理解していたと推測される。

あの放送の時点で宇野さんが『アマゾンズ』の内容や記者会見で白倉プロデューサーが何を言うつもりだったのかをどこまで知っていたかは自分には分からず、宇野さんと白倉プロデューサーのどちらが主導権を持ってあの一連の発言が出たのかは想像するしかないが、この放送で、現行の仮面ライダーと白倉プロデューサーが関わっていた初期の平成仮面ライダーとの間で対立構造が浮かび上がる事となった。おそらくこれは『アマゾンズ』での記者会見に向けての一つの布石だったと考えられる。

 

では、なぜ白倉プロデューサーは現行の仮面ライダーと初期の平成仮面ライダーとの間に対立構造を作ろうとしたのか。

宇野さんや白倉プロデューサーでなくても長い歴史を誇る平成仮面ライダーは初期と現在とでは雰囲気や作りが大きく変わっている事は認識している。現在は大きな市場となって安定した成績を収めているし、最近の仮面ライダーからファンになった人も少なくない。それはそれとして大きな力となっている。

一方で、初期の平成仮面ライダーの雰囲気や作りを好む人も多くいて、その人達は現在の仮面ライダーも見続けている人もいれば途中で見なくなった人もいる。そして白倉プロデューサーが最初に関わった『仮面ライダーアギト』は2001年放送で既に15年前の作品となっている。当時の子供達も20代になり、これから子供を持つ世代となる。これから先を見据えた場合、この世代を再び仮面ライダーに呼び戻そうと考えるのは当然である。

そこで現行の仮面ライダーとは別に初期の平成仮面ライダーの雰囲気を再現した作品を作り、これから親になっていく初期平成仮面ライダー世代にアピールしようとしたのではないだろうか。この初期の平成仮面ライダーの再現である事を強調する為に使ったのが現行の仮面ライダーへの批判であったのだ。ネットでは「昔の作品が好きで今の作品が嫌いなら今の作品を見なければ良い」と言う意見があるが、それを「今の作品が嫌いな人に向けて昔風の作品を新たに作ったよ」としたのだ。

 

現行の仮面ライダーの雰囲気や作りについていけない人をターゲットにするのなら、初期の仮面ライダーの雰囲気や作りを再現した事を強調すれば良いだけで、なにも現行の仮面ライダーを批判する必要は無いのではないかと言う考えが出てくるが、これに関しては「人は自分の好きな作品を肯定されるよりも否定される方が反応を示す」からだと思われる。宇野さんや白倉プロデューサーが現行の仮面ライダーを批判すれば、同じく現行の仮面ライダーに否定的なファンは自分も同じ意見だとして反応し、逆に現行の仮面ライダーに肯定的なファンはそれは違うと反応を示す。いわゆる炎上商法でリスクも大きい方法ではあるが、おそらく、それによるイメージダウンを考えても、現行の仮面ライダーに不満を抱いている人や初期の平成仮面ライダーを求めている人を合わせて予定の数字は上げられると言う計算が出たのであろう。だからこそ、記者会見で公然と「最近の仮面ライダーは面白くない」と言う事が出来たのだ。

 

さて、宇野さんと言う人物であるが、おそらくこの人は敵味方を明確に分ける人だと思われる。そして自分には合わない人だと思ったらバッサリと切り捨てる。そこがあまりにもバッサリとしているので反感を持たれるのだろう。また、宇野さんは最初から特撮ファンに好かれるつもりはないように見える。自分と同じ意見なら良いが、違う意見の特撮ファンに意見を合わせる必要は無いと割り切っているところがある。特撮ファンより井上さんや白倉プロデューサーと一緒にいた方が今後にとってプラスになると言う事が分かっているのだ。

ぶっちゃけて言うと、特撮ファンと一緒になって何が出来るのか作れるのかとなったらそれはあまり無い。逆に井上さんや白倉プロデューサーと一緒にいれば大きい場での発言権が得られるし、その発言で周りに影響を与えられる。その辺りを見究められる人なのだと思われる。なので宇野さんの発言は一ファンの発言とかファン代表の発言ではなくて、今後の自分の身の置き方を考えながらの発言だと言える。過去と現在とで発言が変わっているのも彼の身の置き方が変わったから発言も変わったのだ。こういう政治的な動きをする人は他の人の反発を買うし、本人も自分達の味方以外に対しては攻撃的になる事が多く、宇野さんの周りで何かしら争いが起きるのはこう言った事が原因なのかと自分は考える。

 

話を戻すと、ニコ生での宇野さんの現行作品に対する批判だが、宇野さんをライダーファン代表として見るのではなくて、白倉プロデューサーの番記者として見れば合点が行く。白倉プロデューサーは宇野さんと言う番記者を通して「現行作品に対する是非」と言う流れを作り、その流れに乗って『アマゾンズ』と言う作品を出した。

プロレスはレスラー同士の因縁とか煽りとかを使って対立構造を作ってそこからファンを巻き込んだストーリーを紡いでいく形なのだが、白倉プロデューサーのやり方もこれと同じで、煽りとかを使って対立構造を作ってファンを巻き込んで流れを作ろうとしているのだろう。そして現在の『アマゾンズ』に対する反応の大きさを見るに、白倉プロデューサーの「ファンを巻き込んで流れを作る力」はまだまだ大きい事が分かる。

 

今後の展開はどうなるかまだ分からないが、おそらく現行の仮面ライダーとは別に初期の平成仮面ライダーの要素を強調した作品の発表も続いていき、現行の仮面ライダーの是非、白倉プロデューサー作品に対する是非、それらに付く人々に対する是非とかなり荒れる一年になると思われる。