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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997年公開)

バットマン

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(BATMAN&ROBIN)

1997年6月20日アメリカ公開

監督 ジョエル・シュマッカー

脚本 アキヴァ・ゴールズマン

 

ジョエル・シュマッカー監督のバットマンシリーズ2部作の2本目。ティム・バートン監督から続いたバットマンシリーズの最終作となっている。

 

バットマンシリーズの中でも評判の悪い作品。

前3作に比べてチープなところがあちこちに見られ、各キャラクターのドラマも上手く噛み合っていないと、評価が低いのも分かる。でも『バットマン オリジナル・ムービー』を思い出させるバットマンとロビンのやり取りやどこか憎めない敵キャラ等、軽い気持ちで楽しんで見られる作品でもある。冒頭の氷を使った「滑るアクション」はこれまでの作品には見られなかったもので面白い仕上がりになっている。

 

アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるMr.フリーズは病気になった妻を治療する為に冷凍装置を開発したが事故で自身は超低温でなければ生きられない体になったと言う設定。狂っているキャラが多いバットマンシリーズであるが、Mr.フリーズの犯行理由は妻を治療する為の研究費と自身のスーツのエネルギー確保と理解できるものとなっている。この「大切な存在を救う為に他の存在を犠牲にする」と言うのはポイズン・アイビーと共通しているのでここが本作の一つのテーマと言える。

ダジャレがやたらと不評だが、氷のキャラクターなのでセリフもそれに関連したものが多いと言うのはキャラ立てとして間違っていないと思う。

 

ポイズン・アイビーは今回のバットマンシリーズ4部作の中でもかなりぶっ飛んだキャラクター。一度死んで生き返る辺りはキャットウーマンと同じだが、キャットウーマンは自作した鋭い爪で戦う等、まだ普通の人間であった。ジョーカーやペンギンやトゥー・フェイスやリドラーだってその誕生の経緯はともかく実際の戦いは作られた武器を駆使している。ところがポイズン・アイビーは死んだ時に植物と動物の毒を取り込んだ事で口づけで相手を殺せるようになるわフェロモンを発して男を誘惑できるわと人間を越えた存在になっている。バットマンシリーズのキャラクターは基本的に「鍛えた体術と手に入れた武器を駆使して戦う」なので「特殊能力」を持つポイズン・アイビーは中々厄介な敵キャラとなった。

ポイズン・アイビーの目的は「大切な植物を救う為に人間を滅ぼす」である。この「大切な存在を救う為に他の存在を犠牲にする」と言うのはMr.フリーズと共通している。ただし、Mr.フリーズが大切な存在である妻の為に終始戦うのに対し、ポイズン・アイビーは植物の世界の支配者になると宣言し、劇中でも男達を服従させる等、「実は自分が一番上に立ちたい」と言う欲望があり、Mr.フリーズと差別化されている。(そしてそれがラストシーンに繋がる)

 

ベインは…、お前、何で出て来たんだ…?と言うレベルだった。肉体派なのにアーノルド・シュワルツェネッガー演じるMr.フリーズより貧弱に見えちゃうし…。大男を従えているポイズン・アイビーと言う構図は好きなんだけど。

 

さて、続いては主人公側の話なのだがこちらが実はイマイチ。

ルフレッドが病気にかかり、人々を悪人から守るバットマンですら大切な人を死から救う事は出来ないと言うのは良かったのだが、本作はバットマンことブルース・ウェインの出番が少ない上、アルフレッドの病気と無関係なポイズン・アイビーとのアレコレがあるので、アルフレッドとブルース・ウェインの話が意外と少ない。

Mr.フリーズを誘き出す為にバットマンは大富豪ブルース・ウェインの顔を利用して罠のオークションを仕込むのだが、冷静になって考えると、Mr.フリーズが来るのでオークション会場の人々は命の危険に陥っていた。劇中では特に繋げられていないのだが、仮にアルフレッドを治療させたいのでMr.フリーズを誘き出して捕まえる為に罠のオークションを開催したとするたら、これはMr.フリーズやポイズン・アイビーと同じ「大切な存在を救う為に他の存在を犠牲にする」となり、前3作でも触れられていたバットマンと悪人達は同じ穴のムジナである話として面白くなったと思う。

 

ルフレッドの姪であるバーバラ・ウィルソンはアルフレッドがブルース・ウェインに漏らした「出来れば自分も一緒に悪漢と戦いたかった」を実現させたのが面白かった。でも、この展開に持ってくるのならバーバラがバットマンやロビンの事をどう捉えているのかを前半で描いてほしかった。

男を誘惑して利用しようとするポイズン・アイビーと男には頼らず逆に助けようとするバットガールの対決と言う構図は良いが、こちらも二人の接点が全く無い状態でいきなりクライマックスで戦うのが実に残念だった。あと、ポイズン・アイビーが敗北する流れがいくら何でも酷すぎる。あんなやられ方をするキャラとは思えないのだが。

他にもロンドンのお嬢様学校に通っていたのに両親が死んだ5年前からバイクレースに参加していたとか、その5年間のレースで養育費を返せるほどの賞金を手に入れたとか、何をどうやってかバットマンやロビンと同じレベルで動ける運動能力を持っているとか、バットガールは設定が色々と無茶苦茶すぎたのが残念だった。

バットガールことバーバラが出た事でロビンがポイズン・アイビーに反撃する機会が失われたし、ブルースとディックとアルフレッドの家族の話もぼやけてしまったので、本作では彼女は登場させず、タイトル通りにバットマンとロビンの二人の話に絞ってほしかった。