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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ゴジラ2000 ミレニアム』(1999年公開)

ゴジラ2000 ミレニアム

1999年12月11日公開

監督 大河原孝夫

特殊技術 鈴木健二

脚本 柏原寛司三村渉

 

ミレニアムシリーズの第1弾。
1998年に公開された『GODZILLA』が多くの人がイメージするゴジラ像と大きく違っていたので、皆がイメージするゴジラを急遽復活させる事となった作品。『VSデストロイア』公開当時はまさか4年後にゴジラが復活するとは思いもしなかった。
 
何と言ってもミレゴジがカッコイイ!
自分は平成VSシリーズの世代なのだがミレゴジは最初にデザインを見た時に一発で惚れてしまった! 自分は歴代ゴジラの中ではミレゴジが一番好き! 背ビレ最高!
 
平成VSシリーズは後半から怪獣作品と言うよりバトル作品の要素を強めていっていたが、平成ガメラと『GODZILLA』の影響を受けた本作では久し振りに怪獣作品としての絵作りが行われている。
オルガとの決戦は「街中で巨大怪獣が戦う」と言う絵になっていたし、東海村上陸はこれまでのゴジラ自衛隊の戦いとは絵を変えようと言う意欲が見られた。また、冒頭の根室上陸はシリーズの中でもトップクラスに入るゴジラ上陸シーンとなっている。
 
ゴジラ作品はその時代を切り取っていて今回は「インターネット・情報社会」を取り上げている。ゴジラ予知ネットワークの設定は目新しく、その後のシリーズにも残してほしい組織であった。敵キャラのミレニアンもインターネットを使って現在の地球の情報を手に入れるとこれまでの怪獣には無いキャラクターを見せた。
 
ネットによる民間レベルの対ゴジラ組織と言うのは『VSデストロイア』の健吉の設定を発展させたものと言える。他にも『VSビオランテ』から登場したゴジラ細胞をさらに詳しく研究したオルガナイザーG1が登場する等、本作は平成VSシリーズで描かれた事のさらにその先を描いた。
一方で世界観は平成VSシリーズとは切り離され、第1作の続編とされた。
スーパーXやメカゴジラのような一体限りの超兵器も出ず、代わりにフルメタルミサイルランチャーが出て、怪獣同士の光線の打ち合いが減らされる等、平成VSシリーズとの差別化も行われた。
 
平成ゴジラの後を継いだ平成モスラが終了し、平成ゴジラとは違った道を拓いた平成ガメラも終了し、アメリカで『GODZILLA』が公開された中、平成ゴジラの要素と平成ゴジラではない要素を同時に描き尚且つ日本の怪獣とはいかなるものなのかを皆に指し示す。これが本作『ゴジラ2000 ミレニアム』に求められたものであった。いくらなんでも一つの作品に色々求めすぎだろうとは思うが、それがこの時期に「ゴジラ」の名を冠する作品に課せられた宿命だった。
 
本作は特撮の絵作りは良いし、世界観もゴジラ予知ネットワークなど着眼点が良い。しかし、作品の軸となるものが分かり難く、結局のところ、何をしたかったのか悩む作品。
 
主役の村田雄浩さんを始めとした役者は良いのだが、登場人物が説明役に終始していてドラマを展開していなかった。なので、世界観の説明が行われる前半は良いのだが、それが終了した後半になるとオルガの説明で役割が終わって後は皆揃って傍観者になってしまった。
たとえば『ゴジラ』だと芹沢博士の苦悩が後半のドラマになっていて、それがゴジラを倒すクライマックスに繋がるのだが、本作ではそこまで苦悩する登場人物はおらず、またゴジラやオルガと深く関わる者もいなかった。
片桐が最後にゴジラと対峙したが、どうして彼があそこまでゴジラと一対一で向き合ったのか説明が無い。本作が常に片桐とゴジラの戦いだったのなら分かるのだが、実際には片桐はゴジラに限らず日本を脅かすもの全般と戦っているのでゴジラに固執する理由は弱い。
ゴジラ細胞に魅入られた篠田と宮坂なら最後にゴジラと直接対面に至るのも分かる気がする。(篠田は娘のイオがいるので最後はゴジラより家族を取るだろうが) でも、宮坂は演じている佐野史郎さんの演技で上げられているところがあるが、劇中での描写を見ると意外と普通で平凡な人だったりする…。
そんなわけで登場人物が説明役から脱していなかったので、最後の片桐の行動等の理由が分からず、篠田達が語るゴジラについての考えもどこかとってつけた感になってしまった。
 
大河原監督は『VSモスラ』や『VSメカゴジラ』は良かったのだが、『VSデストロイア』や本作では人間ドラマにおいて何を軸にして撮ったのか分かり難かった。カットも雑で「あれ? あの話はその後どうなった?」と見ていて混乱するところもあった。
 
そう言えば、本作のゴジラは結局何をしたかったのか分からなかった。人間が作ったエネルギーを恨んだりミレニアンにリベンジしたりとその場その場でコロコロと変わっていた。一つの作品でゴジラの復活と新怪獣登場を一気にやってしまったので、どちらを軸にするのか迷いが出た感じ。
 
色々と文句を言ったが実は結構好きな作品。
「ドラマ」じゃなくて「テーマ」で見ると話の構図も見えてくる。
自分は本作は漫画版『機動警察パトレイバー』の「廃棄物13号」に通じるテーマがあると考えている。あの話で最後に語られる「自滅の為の遺伝子」を体現する存在が「ゴジラ」なのかなと。なので、ゴジラに近付き過ぎたオルガと片桐は自滅してしまったのかなと…。