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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『モスラ2 海底の大決戦』(1997年公開)

モスラ2 海底の大決戦』

1997年12月13日公開

監督 三好邦夫

特技監督 川北紘一

脚本 末谷真澄

 

平成モスラシリーズ第2弾。
前作では過去のモスラ作品を下敷きにしつつ新たな方向性を打ち出し、それを受けた本作ではこれまでに無かった要素で作品を構成して同時期の他の作品には見られない独自のカラーを打ち出す事に成功した。
 
まずはドラマ部分。
特撮作品は昔から子供が出る事が多かった。これは特撮作品に限らず子供向け作品全般に言える事なのだが、80年代から90年代にかけての特撮作品の評論で『ウルトラマン』のホシノ少年や『仮面ライダー』の少年仮面ライダー隊の存在に厳しい意見が載せられるようになったからか、平成に入ってから特撮作品に子供が出る事は少なくなった。
しかし、本作では汐里、洋二、航平と言う3人の子供が主役として活躍している。小谷と長瀬と言う大人も登場しているが基本的に敵キャラなので、本作は「主役が子供のみ」となっている。実は特撮作品ではこの構図は珍しい。と言うのもゴジラシリーズを始めとする怪獣作品には自衛隊や学者で大人が出てくるし、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズではヒーローに変身するのは大人である。なので「主役が子供のみ」と言うのは実は少ない。昭和ガメラシリーズくらいであろうか。
アニメだと「主役が子供のみ」と言う作品はたくさんある。これは「絵」だと子供をいくらでも活躍させる事は出来るが、実写だと子役を活躍させるのに限界があると言う物理的な問題が理由の一つとなっている。演技は出来るかもしれないが、アクションやスーツアクト等で無理が出てくる為、子供が変身するヒーローと言うのは数が限られてきて、ヒーロー作品が大多数を占める特撮作品では「主役が子供のみ」と言う作品が少なくなる。(これがアニメだと『ドラゴンボール』のように5歳児に超絶アクションをさせる事も可能になる) 結果、特撮作品で子供を出すとなれば、自衛隊や学者やヒーローと言う大人に交じってやや不自然な形で出す事となり、それが先に挙げた評論での厳しい意見へと繋がる事となった。
本作ではヒーローは登場しないので子供達を変身させて戦わせる必要は無く、場所と時間が限定されていたので自衛隊が事件に介入する前に話の決着を付ける事が出来(時間経過を見るにおそらく二日ほどの話のはず)、子供のみで無理無く話を進められるようにしている。
 
この子供のみで地球全体に関わる大きな事件を解決に導くと言う作りは藤子不二雄作品によく見られる構図で、よく知られた作品だと『ドラえもん』の劇場版がこの構図に則って作られている。つまり本作は特撮作品と言うより『ドラえもん』を始めとする藤子不二雄作品に近い作品と言える。これらの作品は子供達の長期休暇に合わせて映画が公開され、子供文化の一つとして定着しているので、本作がその構図を取り入れたのは子供向け作品として正しい選択であったと言える。
 
特撮に関してはダガーラを海の怪獣とする事で水絡みの場面を多くした事が挙げられる。
特撮の場合、縮尺を変えられない自然物の扱いは非常に難しくて避けられる傾向にあるのだが、本作では積極的に水を出してきた。モスラとの戦いではほぼ全てを海か水辺にしていてゴジラシリーズではあまり見られなかった戦闘シーンとなった。(普通だったらダガーラは地上に上がってきて、本作の舞台だと石垣島で決戦!になっていたと思う)
またダガーラを空に飛ばしてモスラとの空中戦も行われた。これは前作のデスギドラでも行われたが、ゴジラシリーズではゴジラが空を飛ばないので(飛ぼうと思ったら飛べるけれど…)、ゴジラに空中戦は無かった。
本作では水中戦と空中戦と言うゴジラシリーズではあまり取り上げられないものを積極的に取り上げて平成モスラならではの戦いを作り上げた。
ダガーラはデザインもシルエットがゴジラシリーズの怪獣と重ならないようになっている等、あらゆる意味で「脱ゴジラ」が図られたと言える。
 
モスラは本作でパワーアップしてレインボーモスラや水中モードと言った新たな姿を披露。ゴジラもパワーアップする事はあったが外見的な変化は無かった。これは同時期に展開されていた平成ウルトラシリーズでモードチェンジが導入されたのに影響されてであろうか?
因みに『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』ではモスラは護國三聖獣の一体「海の神・最珠羅」として登場している。
 
ここからは細かい点を色々と。
ベーレムが漁師を襲う場面は『ウルトラマンレオ』のブラックテリナの話を思い出してちょっとトラウマが…。
ニライカナイの遺跡が昔のゲーム(スーファミあたり)の感じでとても懐かしい。
古代遺跡の上で戦うモスラダガーラの絵が個人的に物凄く気に入っている。
 
全体的な印象としては「SF」だけど「サイエンス・フィクション」ではなくて藤子・F・不二雄さんの「少し・不思議」の方の「SF」と言った作品。