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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005年公開)

スター・ウォーズ

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

2005年5月19日アメリカ公開

監督 ジョージ・ルーカス

脚本 ジョージ・ルーカス

 

スター・ウォーズシリーズの第6弾にして新三部作の完結編。

 

本作最大の見どころはやはりアナキンがダース・ベイダーへとなっていく過程。

パルパティーンの正体が諸悪の根源であるダース・シディアス=皇帝なのはイアン・マクダーミドが演じている事から『エピソード1』の時点で分かってしまうのだが、それを外して劇中描写だけ見ると実は『エピソード3』の中盤まで分からなかったりする。

確かにパルパティーンは善人でアナキンの理解者でありながら一方では欲望渦巻く政界を上手く渡っていく狡猾さを見せているし、段々と強大な権限を得ていっている。しかし、それを糾弾するメイス・ウィンドゥも実は結構怪しかったりする。メイスはパルパティーンを危険視して、彼から権力を取り上げようとするのだが、それは逆にメイスが所属するジェダイ評議会の権力が強まる事を意味している。

新三部作に登場する人物のうち、ヨーダやオビ=ワンは旧三部作で後の動向が明らかになっているが、パルパティーンとメイスは旧三部作では動向が明らかになっていなかった人物。なので二人のうちのどちらかが皇帝である可能性が高いのだが、そのどちらもが相手の事を「権力を強めて共和国を支配しようとしている」と非難し合っているのだ。結果的にはパルパティーンが皇帝だったのだが、メイスがパルパティーンを倒した後、自分の権力を強め、ジェダイ評議会からヨーダ達を消し去り、そのまま共和国を帝国に変えてしまう事は十分可能であった。

この辺りのミスリードは結構面白く出来ていたと思うのだが、『エピソード1』の時点でパルパティーン=皇帝と言うのが予測できてしまったので、単にヨーダやメイスがパルパティーンの陰謀に気付けなかったと言う形になってしまったのは残念。

 

アナキンはジェダイの修行を受ける時からジェダイ評議会から厳しい評価を受けて来た。また、ジェダイは師弟関係を基本としているので上下関係が厳しく、アナキンは常に命令される立場であった。類まれな資質を持ちながら常に低い立場に置かれている事にアナキンは不満を募らせていっていた。

一方のパルパティーンは銀河共和国の最高議長でありながら年下であるアナキンを友人扱いし、話をする時も命令ではなくて頼み事としてアナキンを頼る形にしていた。その頼りにされているところがアナキンの自尊心を満足させていたと考えられる。

一番分かりやすいのが本作におけるスパイの話で、メイスを始めとするジェダイ評議会はアナキンに対してジェダイ評議会に従うべきだと命令し、パルパティーンは自分の助けになってほしいとアナキンに頼んでいる。どちらが居心地が良いかで考えたら、アナキンがパルパティーンの方に心を開いたのは分かる気がする。

 

とは言え、パルパティーンがシスの暗黒卿と分かったアナキンはそれをメイスに伝えている。ジェダイ評議会パルパティーンではパルパティーンの方に親しみを感じているとは言え、その辺りの善悪の判断はさすがに変わらなかった。

ただし、それを見越して保険をかけていたのがパルパティーンの用意周到さで、アナキンの親しい人物に死が迫っていると言う話になった時、ヨーダは運命を受け入れなければいけない的な事を言って諭したが、パルパティーンは暗黒面の力を使えば救う事は可能と囁いていた。

こうなると善悪とは別にアナキンの判断の基準は「パドメに死んでほしくない」になるので、そのパドメを救える可能性を持つパルパティーンは助けなくてはいけないとなる。結果、アナキンはメイスにパルパティーンの助命を懇願し、それが叶わないとなるととっさにパルパティーンを助けてメイスを倒してしまうのだ。

 

とっさの事とは言え、ジェダイ・マスターのメイスを死に至らしめてシスの暗黒卿であるパルパティーンを助けたのは重大な裏切りであるが、これに対してもパルパティーンは予め保険をかけていた。この少し前にパルパティーンジェダイもシスも本質は同じ、正義は見方によって変わるとアナキンに語っている。つまり、シスの暗黒卿であるダース・シディアスに従って銀河に平和をもたらす事が正義で、それを妨害するジェダイは悪であると考えれば、アナキンの行為は平和の実現に大きく貢献したと正当化する事が出来るのだ。

結果的にメイスを死なせてしまい、このままではパドメの命が危ない。もはやアナキンはダース・ベイダーとしてダース・シディアスに付き従うしか道は無かったのだ。

 

因みにダース・シディアスは死者を復活させる方法があるみたいな事をアナキンに言っていながら、いざアナキンがメイスを死なせたら「二人が力を合わせたら復活させる方法が見付けられるだろう」と言っている。つまり、この時点ではダース・シディアスはパドメを助ける事は出来ないのだ。パドメを助けるにはアナキンはこれからもダース・シディアスに協力しなければいけないとなり、さすがシスの暗黒卿汚い!と言ったところである。

 

アナキンはダース・ベイダーとなってジェダイを次々に殺していき、ムスタファーの分離主義者達も殺害。そこにパドメやオビ=ワンが来るのだが、ここでアナキンは「自分が銀河に平和をもたらした」「自分とパドメの二人で銀河を支配する」と言い出す。自分の事を騙していた事もあり、ダース・シディアスに心の底から従っていたわけではない事が分かる。

『エピソード1』の時は幼すぎたのであまり気にならなかったのだが基本的にアナキンは自己中心的な人物である。パドメを愛してはいたけれど、パドメの気持ちを考えていたのかと言ったら本作を見る限りは自分の気持ちのみを優先していたし、パルパティーンに対しても最高議長が自分を頼っていると言う関係に満足していたと言える。旧三部作もフォースの事を馬鹿にした人物に対して怒りを見せ、使えない部下を感情的に殺す等、徹底的に自己中心的。息子のルークを仲間にしようとした時のセリフは「皇帝を倒して二人で銀河を支配しよう」であった。アナキンが再び他人の為に行動するのは『エピソード6』で皇帝からルークを守る為に我が身を投げ出す時となる。

 

パルパティーンは分離主義者等の外敵を作る一方、腐敗した官僚やジェダイ評議会と言った内部の敵を作る事で、外敵を倒す為には軍事力が必要と訴え、腐敗した内部を正せる人物は自分として、自分に武力や権力が集中するように色々と仕組んでいた。

万雷の拍手の中で共和国の自由が死んだ場面はパルパティーンの政治手腕の完成場面として、悪ながら見事としか言いようが無かった。

 

本作は新三部作の中でもアクションが多め。そのアクションもコミカルなシーンを色々と挟んでいて、旧三部作の雰囲気に近くなっていたと思う。

個人的には序盤にあったパルパティーン救出作戦が面白かった。おそらくパルパティーンの計画ではすぐに脱出する予定だったのだろうが、アナキンがオビ=ワンを助けた事で危機に巻き込まれ、かなりのご老体でありながら脱出の為に体を張る事態に。さすがにいざとなったらシスの力を使って助かっただろうが、下手すればメイスとの戦いよりもパルパティーンにとっては危機一髪の事態だったのではと思えたw

 

前作であれだけの強さと存在感を放ったドゥークー伯爵が本作では捨て駒としてあっさりと切り捨てられたのには驚いた。パルパティーンの「殺せ」の言葉を聞いた時の表情から察するに彼もまたダース・シディアスに利用された悲劇の人物だったのだろうな。

 

そのドゥークー伯爵に代わって登場したグリーヴァス将軍は素晴らしいデザインで好きなキャラクター。旧三部作は基本的にダース・ベイダー一人が悪側のキャラクターであったが、新三部作ではダース・モール、ドゥークー伯爵、グリーヴァス将軍と魅力的な悪役がたくさん出ていて面白い。

 

アナキンとパドメの恋愛シーンを見ていたら若いアイドルとかの芸能人の熱愛発覚とか出来ちゃった婚とかはこうやって発覚するんだろうなぁと思った。

 

オーダー66の場面は衝撃的。

特にコーディ指揮官はオビ=ワンにライトセイバーを返した直後に抹殺指令を実行したので、見ていてさすがに背筋がゾッとした。それと並行して行われたアナキンによる子供達の殺害場面も含めて、この一連のシーンは自分が見た映画の中でも特に印象に残った衝撃的な展開であった。

 

ヨーダダース・シディアスの戦いは最高レベルの決戦と言う感じがして盛り上がった。ヨーダの「お前の帝国は今日一日限り。それでも長すぎた」はカッコ良すぎてシビれる。ヨーダとの戦いでダース・シディアスが「議場を破壊する」=「民主主義の崩壊」はまさにシスの暗黒卿が銀河を征服したのを示す名場面であった。

 

アナキンとオビ=ワンの戦いはやはり最後の「I hate you!」「I loved you…」のやり取りが好き。何度見ても切なくて目頭が熱くなる。

 

本作の終盤は次の話となる『エピソード4』へと続くように作られている。まるでパズルのピースが埋まっていくような場面の数々に感動する。