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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『酩酊! 怪獣酒場』第1巻(青木U平)

雑感

『酩酊! 怪獣酒場』第1巻(青木U平)

 

2014年に始まった「怪獣酒場」をモチーフにした漫画で「ウルトラ怪獣が普通の人間のような日常を送っている」と言うのが一つの特徴。『ウルトラゾーン』や『ウルトラ怪獣散歩』も似たコンセプトだったので、最近のウルトラシリーズにおける一つの流れと見る事が出来る。また、擬人化しているが『ウルトラ怪獣擬人化計画』も「ウルトラ怪獣による日常描写」なので、これも同じ流れに沿った作品と言える。
 
「人間ではない存在が人間と同じような事をするギャップからくる面白さ」と言うのは昔からあって、それこそウルトラシリーズでは昔からそう言ったコンセプトの作品や企画が幾つかあったが、昨今は「ゆるきゃらブーム」もあって、より多くの人にそう言った企画が受け入れられる土壌が出来たと言える。なのでこの漫画も「ウルトラ怪獣」を知らなくて「ウルトラシリーズ」に興味が無い人でも「ゆるきゃらの作品」として楽しむ事が出来るかもしれない。
 
こういう「ある作品を基にした派生作品」の場合、「基にした作品」をどれだけ残すのかと言うのが難しく、あまりマニアックに元の作品のネタを使うとマニアだけが喜ぶ作品になってしまい、逆に元の作品の要素を薄くし過ぎてしまうと、その作品でやる意義が無くなってしましまう恐れがある。
その点、この『酩酊! 怪獣酒場』では、その話を理解する上で必要最低限な部分は漫画の中でちゃんと説明されているので、基となったウルトラ怪獣の設定を知らなくても読めるようになっている。
また、ウルトラ怪獣はデザインに特徴があるキャラが多く、この作品でも「デザインで理解できる話」と言うのがある。たとえば第1話とかはケムール人の設定を知らなくても絵を見ればオチは理解できるように作られている。
 
「基となったウルトラ怪獣を知らなくても読める」と言う事は「ウルトラ怪獣でなくても成り立つ作品じゃないのか?」と言う疑問が出てくるかもしれないが、ちゃんと「ウルトラ怪獣でなくては成立しない作品」になっている。(さすがに全ての話がそうではなくて、中にはウルトラ怪獣でなくても成り立つ話はあるが)
例を挙げれば第1話は「ケムール人が自分達の種族の美意識を基準に人間の女性を選り好みする」と言うのがオチ。実はこれはウルトラ怪獣でなければ成立しないオチだったりする。
もし、このオチをウルトラ怪獣でなくて人間でやろうとしても人間は顔の基本的な作りは同じなのでその違いをネタにするのは難しい。自分が寄り目だから寄り目の女の子が好きと言ってもそれはほんの少しの違いでしかないので「あぁ、そう」で終わってしまう。絵で見てすぐに分かる程の違いを人間でするとするなら、黒人の店長があのお客さん達は肌が白すぎるので自分の好みじゃないとか言うのになるが、こういうネタにOKは出ないであろう。つまりこのネタは人間ではないウルトラ怪獣だからこそ成立し、笑えるオチになっている事が分かる。
こういう風に「ウルトラ怪獣を知らなくても読めるが実はウルトラ怪獣でなければ成立しないネタ」と言うのが多く、本作はウルトラ怪獣を知らない人も知っている人も楽しめる内容だと言える。
 
因みに自分が好きな話は第12話。
この話はゴモラの心理描写の巧みさから最後のページのオチまで全ての流れが完璧なまさに傑作!