shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994年公開)

ゴジラVSスペースゴジラ

1994年12月10日公開

監督 山下賢章

特技監督 川北紘一

脚本 柏原寛司

 

ゴジラシリーズの中でも評価が低い作品。
一つの作品として見れば褒められた出来じゃないのは分かるが、好きか嫌いかで言ったら間違いなく「好き」な作品。どうして対ゴジラ兵器が宇宙にまで行けるんだとか、スペースゴジラは何をしたかったんだとか、企業マフィアが唐突に出てはいきなりやられたとか、まぁ、ツッコみどころはたくさんあるが…。
 
本作はゴジラシリーズの中でも特にバトルが多い。人間のアクション部分も含めたら映画の90%はバトっていたんじゃ?と言う印象があるくらい。そのせいでドラマやテーマが弱かったのは事実。バトルの比重が多くでドラマに割ける時間が少なかったが、そこは役者の演技で成り立たせていたと思う。(あの役者陣だったらもっとガッツリとドラマを見せてほしかったところもあるが)
ドラマは役者の演技で出来ているのだが、テーマに関してはさすがに表現不足。最後に「人間が宇宙を汚し続けたら新たなスペースゴジラが誕生する。あの怪獣はその警告を発する存在と言える」と言うセリフが出てきて「え? そんな話だったっけ?」と戸惑ったのは事実。
 
でも本作は子供の頃の自分が一番見たかった「小難しい人間のやり取りは抜きにして、強い者同士がずっと戦っている」を叶えてくれた作品。『ゴジラ』から始まる怪獣作品の流れとして見れば異質な作品かもしれないが、『キン肉マン』や『ドラゴンボール』から始まる週刊少年ジャンプのバトル作品の流れから見ると違和感無く見られる。自分にとってスペースゴジラ戦は『ドラゴンボール』のセルやブロリーとの戦いと言う印象がある。当時のバトル作品として本作を見ると、それぞれの力関係とか盛り上げどころとかをちゃんと押さえてある。
 
ベビーゴジラが可愛らしいリトルゴジラに成長し、それがスペースゴジラに襲われるのをゴジラが助けると言う構図で観客はゴジラに感情移入するよう作られている。
しかし、本作のゴジラはあくまで同族のリトルゴジラを助ける為にスペースゴジラと戦ったので人間の為に戦ったわけではない。(実際、スペースゴジラに戦いを挑む途中でゴジラは九州を壊滅させている)
これによりゴジラの立ち位置を人間側に寄らせる事無く、観客がゴジラを応援できるようにしている。
 
ゴジラを人間の味方にする事無く観客がゴジラを応援するように作るのは昭和後期のゴジラ作品を思わせる。本多作品と言うより福田作品のイメージ。南の島が舞台とか宇宙からの脅威とか軽めの主人公とかも福田作品に近い。
平成VSシリーズも昭和シリーズと同じく人間の敵だったゴジラが新たな怪獣の出現で人間と共闘するようになった。『対ガイガン』までの昭和シリーズと平成VSシリーズのゴジラは完全な人間の味方ではなかったが、『対メガロ』からの昭和シリーズのゴジラは完全な人間の味方になっている。平成VSシリーズのゴジラはそこまでいかなかったが、人間に懐いていたゴジラジュニアが成長したシリーズが作られていたら、それが見られたのかもしれない。
仮に『VSデストロイア』の後にゴジラジュニアが主役のシリーズが作られていたら、主役の世代交代として『ドラゴンボール』の魔人ブウ編みたいになっていたのかな? 人間の味方になったゴジラジュニアが敵怪獣に苦戦しているところにメルトダウンしたゴジラの魂が現れてセル編の親子かめはめ波みたいなW放射熱線で逆転勝利とかしたら滅茶苦茶盛り上がっただろうな。
 
スペースゴジラは結晶体でバトルフィールドを作るわ放射熱線をシールドで跳ね返すわ超能力でゴジラを浮かせるわと歴代ゴジラ怪獣の中でもトンデモ具合が凄くてゲームのラスボスっぽいところが良い。
 
前作のメカよりパワーアップ、合体分離機能、ミサイルにビームにドリル、最後は特攻!とモゲラは男の子のロマンが詰まっている機体。どうして『地球防衛軍』のモゲラがここで再登場する必要があったのかは分からないが…。
 
前作『VSメカゴジラ』ではイマイチ徹底されていなかった「男はゴジラをどうやって倒すかを考え、女はゴジラとの共存を考え始める」と言うのが描かれた作品。「男は殴り合わなきゃ分かり合えないの?」と言う問いかけが本作を表している。この少年漫画的ノリを受け入れられるかどうかで本作を受け入れられるかどうかが決まると思う。
 
前作からゴジラに感情移入し始めた三枝未希。
それだけでも周りから浮きそうなのに、本作ではテレパシーの他にテレキネシスまで使えるようになって人間離れしていく事で、ますます周りの人間から浮きそうになって彼女の今後が少し心配になる。
 
好きな作品なのだが、ゴジラの宇宙怪獣版であるスペースゴジラメカゴジラの立ち位置をそのまま受け継いだモゲラ等、この路線でのシリーズ続行が難しくなってきたのも感じてしまう作品。
 
ゴジラを制御下において兵器にしようとする企業マフィアとか面白そうな設定なのに登場からわずか数分で壊滅と言うのは実に勿体無かった。この作品は全体的に「勿体無い」と言うのが多かった。