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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ゴジラVSモスラ』(1992年公開)

ゴジラVSモスラ

1992年12月12日公開

監督 大河原孝夫

特技監督 川北紘一

脚本 大森一樹

 

平成VSシリーズで最多の観客動員数を誇る作品。
自分が平成VSシリーズで好きなのは『VSビオランテ』と『VSスペースゴジラ』なのだが、ファミリー映画として一番良く出来ているのは本作だと思う。
 
まずドラマが「家族の再生」と「環境問題」とテーマが明確になっていた。ややあからさま過ぎるセリフがあったが、このくらいの分かり易さの方が子供向けには逆に良いと思う。
 
モスラは女の子向けに可愛らしく、バトラは男の子向けにカッコ良くデザインされている。ドラマは大竹まことの演技が微妙であったが、それ以外はコミカルからシリアスまで上手く演技されていて、家族の誰が見ても楽しめるようバランス良く作られていた。
 
人間ドラマに関しては自分が村田雄浩さんが好きなのもあって楽しめた。
逆に大竹まことさんが演じた社長はもうちょっと頑張ってほしかった。
人間の綺麗な部分と醜い部分が描かれているが、あえて主人公にコスモスを誘拐させるエグさが結構好き。初見ではかなりショックな展開だった。
 
特撮に関してはゴジラモスラ、バトラ、人間による四者の戦いで誰が優勢で誰が劣勢なのかを分かりやすく伝えるのに尽力した感じ。分かりやすい見せ方優先で新しいものが無く、これがゴジラがファミリー映画として定着した一方で怪獣ファンの不満が出て平成ガメラへと繋がっていく事になる。
 
ゴジラと三枝未希のドラマ本筋からの外されっぷりが凄いが、そのおかげで前作までを見ていない人でも見易いドラマになっていた。
 
この時代はレンタルビデオの普及もあり、『モスラ対ゴジラ』を見て本作に備えると言う事が出来た。映画公開前に過去の作品をビデオで見ると言うように過去の作品と現行の作品の連動が最も上手くいっていた時代だったと言える。
 
「引き金を引いたのは隕石だが、銃に弾を込めていたのは人間だ」と言うセリフが好き。隕石やら怪獣やらと言う架空の「引き金」を使って「銃に弾が込められている」現実を示すのは映画を始めとする「作品」だから出来る事。
 
上でこの作品は分かりやすいと書いたが、その一方でこの作品の面白いところに明確な善悪が無い事、それぞれの敵味方の境界が実は曖昧なところが挙げられる。
ゴジラは生物の本能で動いているだけなので善でも悪でもない。モスラは人間を守ってくれたが地球の生態系的にその行動が正しかったのかは疑問が残る。地球の生態系を守る為に破壊を行うバトラもその行動が正しいか間違っているか何とも言えない。人間が正しいのかと言われたら本作ではそうとは言えない扱いだった。
また、劇中ではモスラとバトラは最終的には協力してゴジラと戦ってくれたが、コスモスが人間に捕らえられたままだったらモスラが人間と戦っていた可能性は十分にあった。バトラの方も自然を破壊する人間を守る理由が無いので、モスラと協力せずにゴジラと共に人間やモスラを滅ぼそうとした可能性は十分にあった。
と、分かりやすく作ってはいるが、実はかなり複雑になる要素を秘めていた作品だった。