shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ゴジラVSキングギドラ』(1991年公開)

ゴジラVSキングギドラ

1991年12月14日公開

監督 大森一樹

特技監督 川北紘一

脚本 大森一樹

 

前作の『VSビオランテ』は新しいスタッフに新怪獣にと平成時代の作品として新しいものを見せたが、本作では伊福部昭さんが復帰し、キングギドラが再登場した。そして本作以降、昭和の怪獣を平成風に解釈して復活させると言う手法がゴジラシリーズの定番となった。
 
キングギドラと未来人の設定は過去のキングギドラと侵略者の設定を上手く平成風にアレンジしている。侵略者が宇宙人から未来人に変わったのは科学力の問題なのだろうが、X星人の「未来に向けて脱出する」がヒントになっているのかもしれない。
 
本作は様々な海外作品のオマージュがあるが、元ネタを知っていると本作での演出等が微妙なのが残念。
キングギドラ初登場の『三大怪獣 地球最大の決戦』で『ローマの休日』のオマージュがあったので、海外作品のオマージュそのものが過去のキングギドラ作品へのオマージュだったと言える。
 
本作で面白いのはゴジラキングギドラが暴れるミニチュア特撮の他に人間ドラマが展開される本編部分の特撮が充実している事。アニメや漫画向きの題材をあえて特撮を使って実写でしているのが面白く、現実には無い映像を作り上げると言う特撮作品の基本が見られる。
 
本作はゴジラザウルスを出して「日本人にとってゴジラとは何なのか?」と言うテーマを取り上げている。昭和作品では意外と触れられていないゴジラの存在そのものに迫るのが平成以降の作品の特徴の一つ。
 
戦時中、ゴジラザウルスは結果的にアメリカ軍から日本人兵士を助ける事となった。戦後、その日本人がアメリカの庇護の下で経済発展を遂げる一方、ゴジラザウルスはアメリカの水爆実験で怪獣ゴジラへと変貌した。そのゴジラが日本人が築いてきた戦後日本を破壊していくのだが、一方でゴジラによって未来から来た欧米人による侵略から現代日本は守られた。
その他にも『VSビオランテ』では核とゴジラによって酷い目に遭わされてきた日本がゴジラ細胞を手に入れる事で核を超える兵器を作り出して世界に君臨する可能性が出てくる等、日本とゴジラとの関係は一言で言い表せないほどに複雑となっている。
 
前作の『VSビオランテ』に顕著だったが、ゴジラシリーズにおける1984年以降の日本の発展はゴジラが契機になっている事が多い。しかし、その一方でゴジラは都市を始めとして様々なものを破壊している。ゴジラは始まりをもたらす一方、終わりをもたらす存在でもある。
 
昭和のゴジラ作品ならキングギドラと未来からの侵略者を倒した1時間20分あたりでエンドロールなのだが、そこから暴れるゴジラを倒す為に今度はキングギドラをサイボーグ化してぶつけると言う平成のゴジラ作品ならではの展開が始まる。
ここがゴジラ映画にとって一つの転換期だったと言える。
 
全体的に大味でツッコみどころが多かったのは事実。タイムパラドックスに関しては、どう考えてもおかしな事になってしまう…。
でも、自分が一番ツッコみたいのはチャック・ウィルソンが乱闘で負けた事。中の人的にはM11より強そうなんだけどな…。