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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002年公開)

スター・ウォーズ

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃

2002年5月22日アメリカ公開

監督 ジョージ・ルーカス

脚本 ジョナサン・ヘイルズ ジョージ・ルーカス

 

スター・ウォーズシリーズ第5弾にして新三部作の第2弾。

この辺りから帝国軍の足音が聞こえてくるようになる。

 

後に皇帝となるパルパティーンの面白いところは「正式な手続きを踏んで帝国軍を作った」ところにある。前作では通商連合と言う外敵を作り、内では汚職官僚を使って当時の議長に無能の烙印を押させて自分が新たな最高議長となった。そして今作でも通商連合を取り込んだ分離主義勢力と言う外敵を作り、内ではそれに対抗する為の共和国軍設立派を作った。さらにパルパティーンの周到なところは自分は軍設立には消極的だったがジェダイだけでは共和国の平和は維持できないと言う意見に押されて軍設立に踏み切ったと言う形にしたところ。これは次作でジェダイが共和国に対して反乱を起こしたとして帝国を樹立するのに向けてジェダイ=強硬派、パルパティーン=穏健派と言うイメージをあらかじめ作ったと言える。

 

このパルパティーンの暗躍をヨーダとメイス・ウィンドゥは見抜けず、帝国軍樹立に手を貸した結果となった。どうしてこの二人がパルパティーンの思惑を見抜けなかったかだが、ヨーダのセリフを聞くにパルパティーンの暗黒面のフォースによってジェダイは未来を見通す事が出来なかったのが原因と思われる。今までフォースで未来を見通す事が出来た為にジェダイはそれに頼ってしまうようになっていたので、パルパティーンはそれを封じたのだ。フォースで未来を見通せなくなると、パルパティーンはフォースとは違う「人心掌握」の力で様々な人間を巧みに操り、自分にとって都合の良い未来を創る事が出来た。ここは修行に明け暮れて規律を重視した結果、人との付き合いが不得手となったジェダイと政治家として人間の表も裏も知り尽くしたパルパティーンの差が出たと言える。

 

分離主義勢力の主な戦力はドロイド。前作でも通商連合の主戦力で今作でも大勢のジェダイを後一歩まで追い詰める強さを見せた。

ところで、劇中の中盤でオビ=ワンが「ドロイドが頭脳を持ったら我々は滅ぼされる」と言うセリフを言っている。そしてそのセリフはクローン・トルーパーと言う形で実現してしまう。このクローン・トルーパーが後の帝国軍の主戦力となるのだが、分離主義勢力にはいずれ時代遅れとなるドロイドを用意させ、共和国軍にはそれより強力で最新式のクローン・トルーパーを用意させた辺り、パルパティーンにとって分離主義勢力はクローン・トルーパーを採用する為の口実としての外敵と言う位置付けで用済みになったら捨てるつもりだったのが分かる。

 

本作の敵はドゥークー伯爵。

あの老体でアナキンとオビ=ワンに勝利してヨーダと互角に戦える強さを誇る。演じたクリストファー・リーによる「底知れ無さ」が実に素敵で新三部作でも好きなキャラクター。因みにクリストファー・リーは過去にフランケンシュタインやドラキュラを演じているが、ジオノーシスの場面が昔のホラー作品やモンスター作品のように見えて面白い。(明らかにフランケンシュタインっぽいエイリアンもいたし)

 

ドゥークー伯爵はオビ=ワンに「共和国はシスの暗黒卿の支配下にあるので、自分は共和国打倒の為に立ち上がった」と言った。これは前半分は本当で後ろ半分は嘘。オビ=ワンを始めとして共和国に不信を広めるのが目的のセリフだった。面白いのは共和国に潜むシスの暗黒卿は誰だ?となった時、役者の関係でパルパティーンが皇帝と言う事が分かってしまうのだが、あくまで劇中での描写のみに絞ると、実は今作ではメイス・ウィンドゥも結構怪しい。共和国を裏から牛耳る事が出来る力の持ち主はヨーダを除けばパルパティーンとメイス・ウィンドゥの二人なのだ。そしてこの二人のうちのどちらが正しくてどちらが悪だったのかは次作のアナキンの目の前で判明する事になる。

 

旧三部作に登場したボバ・フェットの親ジャンゴ・フェットが登場。旧三部作のボバは強そうなのに大した活躍も無いうちにあっさりと死んでしまったが、ジャンゴはクローン・トルーパーのオリジナルとなる、オビ=ワンを返り討ちにする、と活躍した。戦いがフォースとライトセイバーと銃撃がメインになっていく中、各種のアイテムを駆使して戦うジャンゴのスタイルは個性があって印象に残った。

 

アナキンも徐々にダース・ベイダーの片鱗が見えてきた。前作でまだ9歳のアナキンがジェダイになるには年を取りすぎていると言われたがその理由が判明。ジェダイは一切の執着を捨てなければならないとなっているが、調べてみるとジェダイになるには「生後6か月以内」が条件らしい。おそらくは記憶が定まっていない状態から修行を始めないと今作のアナキンのように家族の事を思って道を踏み外す事になるのだろう。

しかし、生後6か月からジェダイとしての生活を始めると言うのは悪く言えば「洗脳する」と言う事でもある。個人的な事を一切禁止されて任務を最優先させる戦士と言うのはドロイドやクローン・トルーパーとなんら変わらない。

 

アナキンは9歳まで普通の生活をしていたので、ジェダイの考えとは別の考えを持っていて、その狭間で苦しむ事になる。そこを上手く修正していくのが師匠の務めなのだろうが今作を見るにオビ=ワンでは若すぎた。これがクワイ=ガン・ジンならもう少しアナキンの機嫌を損なわないように注意できただろうし、ヨーダならアナキンも従うしかない強さを見せつけられたのだろうが、オビ=ワンはその圧倒的な強さも上手く注意する術も持っていなかった。特に今作のオビ=ワンはピンチに陥ってばかりなので、アナキンが「オビ=ワンが自分の足を引っ張っている」と不満を抱くのも分かる。(こうして見るとダース・モールは出番こそ少ないがクワイ=ガン・ジンを殺したと言う事で歴史に大きく関わっているのだと言える)

 

演出とかもう少し何とかならないのかと言う不満もあるがクライマックスのヨーダとドゥークー伯爵の戦いは何度見ても自然と姿勢を正して見てしまう。

また自分は旧三部作の世代ではないので(『エピソード6』公開の時に5歳だった)、自分のスター・ウォーズのイメージは本作と後に放送されたTVシリーズの『クローン・ウォーズ』のような「徐々に帝国軍の足音が聞こえてくる時代」だったりする。