shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

「虹の行く先」 『ウルトラマンX』第12話

「虹の行く先」

ウルトラマンX』第12話

2015年10月6日放送

脚本 内田裕基

監督 坂本浩一

 
電脳怪獣サイバーゴモラ
幻影宇宙女王ギナ・スペクター
熔鉄怪獣ツルギデマーガ
変身怪獣ザラガス
サーベル暴君マグマ星人
暗黒星人シャプレー星人 登場

 

色々と盛り沢山なお話。
まずはエックスのパワーアップ形態であるエクシードX。
闇の力で分解されかかったエックスを大地が電脳世界に飛び込んでデータをかき集めて復活させた存在。虹色の剣エクスラッガーは電脳世界に飛び込んだ大地が母親の言葉を頼りに手に入れたもので現時点では謎のアイテム。この辺りは後に解明されるのだろう。
 
今回は闇の力でデマーガがツルギデマーガに強化されたが、エクシードXはその闇の力を取り払って元のデマーガに戻している。『ウルトラマンコスモス』で怪獣に取りついたカオスヘッダーを切り離したのに近い。そう言えば変身者とウルトラマンが再合体してパワーアップしたと言う点でも今回のエクシードXはウルトラマンコスモスのエクリプスモードに近いと言える。
 
ヒーローのパワーアップ話なのだが、『ギンガS』でギンガがウルトラ兄弟の力を手に入れたギンガストリウムに比べると今回のエクシードXは強さのアップがイマイチ分かりにくい。ギンガストリウムの場合は歴代戦士の必殺技を撃つと言う事で強さのアップを表現できたし、エックス自身もモンスアーマーで歴代怪獣の能力を使う事で強さのアップを表現していたが、エクシードXはギンガストリウムやモンスアーマーのように歴代戦士や歴代怪獣の設定を引き合いに出せないパワーアップなので単独で力強さや素早さのアップを見せなくてはいけないのだが、正直言って、力強さも素早さもこれまでの話で色々と表現されているので、もはやそれを超える表現を作るのは現時点では難しくなってきている。
これはウルトラシリーズだけの問題ではなく、たとえば『ドラゴンボール』とかでも強さの表現がフリーザ編でピークになっていると言う指摘があり、長い期間に亘って話が続いて色々な蓄積が出来てしまった長期シリーズが故の問題と言える。
 
ウルトラファイトビクトリー』のジュダに続いて今回はギナが登場。『ビクトリー』のジュダ・スペクターは超グランドキング・スペクターを使っていた『ウルトラマン物語』準拠のキャラクターであった。作品の認知度を考えたら『アンドロメロス』準拠ではなくて『ウルトラマン物語』準拠なのは当然だったのだが、既にこの時点で惑星グアを出していて、『X』の今回の話でギナを、次回の話でモルドを出し、グア軍団にマグマ星人を加える等、ここに来てまさかの『アンドロメロス』設定の復活となった。「鎧を身に付けたウルトラマン」と言う事でエックスとメロスには共通項があったのだが、まさか本当に『メロス』設定が復活するとは夢にも思わなかった。
今のウルトラシリーズ仮面ライダースーパー戦隊と違って完全新作で世界観を構築するのが難しい状況なので、どうしてもこれまでの作品の力を借りなければいけないのだが、それなら昔の作品を魅力的に見せて、昔のファンを新作に取り込み、新作のファンにも昔の作品に興味を持ってもらおうと前向きに取り組んでいるのが素晴らしい。何だかんだ言って、自分が子供の頃に見たヒーローや敵を再び目にすると否応無しにテンションが上がる。今回は『メロス』からグア軍団の登場となったが、いつかヒーローのメロス達も復活させてほしい。
 
大地に続いてアスナもサイバーゴモラを使えるようになった。
『ギンガ』で主人公以外の人間もウルトラマンや怪獣に変身できると言うのが画期的で面白かったのだが、『ギンガS』では従来のように特定の人間(ヒカルとショウ)のみと言う形に戻っていた。『X』もその流れを汲んでいたのだが、ここに来て大地以外の人間もサイバー怪獣を使う事が出来るとした事で今後の話に広がりが出来た。
 
第5話でグルマン博士は大地とエックスの関係に気付いているのかもしれないと言う描写があったし、今回の大地のエックスを復活させる提案はグルマン博士が自分とエックスの関係を知っている前提のように思えるのだが、それならもっと明確にグルマン博士が大地とエックスの関係を知っていると描写した方が良いと思う。いっそ、大地がエクスデバイザーの中にいるエックスとグルマン博士とを会話させるぐらいの場面があっても良かった。
この辺り、話の流れを考えたら途中で主人公とウルトラマンの関係をある程度の人は知っている方が色々と不都合が無いのにウルトラシリーズのお約束で終盤までその手の話を後回しにしているようで無理と言うか不自然さを感じる。
 
サイバーゴモラザラガスの戦いは『初代マン』の着ぐるみ改造の繋がりで坂本監督が手がけた『ウルトラ銀河伝説』での対決繋がりでもある。その組み合わせの理由は分かるんだけど、せっかくのザラガスなのに倒されて復活する展開が無かったのは残念。展開上、復活までは入れられなかったのは分かるんだけど、劇中で何かしらの理由付けはしてほしかった。
 
今回は坂本監督回らしくテンポが速くて容量てんこ盛りな回になっている。『メビウス』の頃だと今回の話は前後編になっていたと思う。この辺りは『X』の話数が全22話と少ない事の他、昔に比べてヒーロー作品に求められるテンポが速くなったと言う事が考えられる。これは何も今に限った話ではなくて、昭和の時点でも『初代マン』と『T』『レオ』の頃では戦いのテンポはかなり違う。平成仮面ライダーも中盤にある主人公の死から復活までが前後編の2話くらいにまとめられるようになっているので、これが現在のテンポだと考えた方が良い。
これまでのウルトラシリーズだと今回の話は大地と両親の話やエックスが敗北してショックを受ける特別チームのドラマにもっと時間を割くと思うが、その辺りを必要最低限に留め、すぐに次のエックス復活とツルギデマーガ&ザラガス&ギナの戦いへと話を進めた坂本監督の割り切りの良さに驚く。が、今の子供からすればこのスピードが普通なのかもしれないとも思え、時代は確実に自分より次の世代へと変わっているんだなと言う事を感じる。自分が年を取った事を感じる半面、ウルトラシリーズも時代に合わせて変わってきている事を実感できて寂しい半面、嬉しかったりもする。(で、変わっていく流れに自分は乗っていけないと感じた時がそのジャンルからの身の引きどころかなと)