shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『怪獣総進撃』(1968年公開)

怪獣総進撃

1968年8月1日公開

監督 本多猪四郎

特技監督 有川貞昌

脚本 馬淵薫本多猪四郎

 

ゴジラシリーズにとって一つの節目となった作品。ウルトラシリーズも『ウルトラセブン』の終了で第1期ウルトラシリーズが終了しているので、怪獣作品にとって一つの時代が終わりを告げた時期だと言える。歴代怪獣がたくさん出るのが最終作らしくて盛り上がる。
 
ドラマは行き当たりばったりな感じがして出来が良いとは言えないが、冒頭から怪獣を出して事件を起こして、そこからは地球人とキラアク星人の戦いをずっと繰り広げているのでサクサクと手軽に見られる。難しいドラマやテーマを外して攻防戦に徹したのが見易さに繋がったと思う。
 
登場怪獣はかつてタイトルを冠した事がある歴代主役怪獣としてゴジララドンモスラ、バラン、バラゴン。それにゴジラの息子のミニラ。ゴジラ最初の敵であるアンギラスゴジラ最新の敵であるクモンガ。そして『海底軍艦』に登場したマンダと『キングコングの逆襲』に登場したゴロザウルスの10体。
着ぐるみの都合らしいが、バランとバラゴンの出番が殆ど無かったのが残念。あと個人的にはエビラを出してほしかった。マンダを地上に上げられるのならエビラだって地上で戦っても良かったんじゃないかなと思う。
 
かつてはゴジラ最初の敵で今はゴジラチームの特攻隊長となったアンギラスの姿に『ドラゴンボール』のクリリンが重なって見える私はドラゴンボール世代。
 
富士山麓の決戦の場に一番最初に到着するのは誰か?と言う中継の後にゴジラ達を差し置いて一番乗りしてしまうミニラさんに笑うw その後のキングギドラとの戦いでも最後のおいしいところで参加して、倒されたキングギドラの死体に乗って勝利のポーズをするミニラさんの雄姿には草不可避w
 
さすがのキングギドラも10体(実際に戦ったのは5体くらいだったが)の怪獣相手には分が悪くてほぼ惨敗。いくらなんでも戦力差があり過ぎたので、キングギドラゴジラチームに負けないようなパワーアップをして出てほしかった。
 
近未来の描写やメカニックの充実さや宇宙をも舞台にしたスケール感等、『怪獣大戦争』のパワーアップ版と言った感じ。その他にもウルトラシリーズや『サンダーバード』と言った作品の要素も取り込んでいて、1960年代の怪獣映画の決定版と言った感じに仕上がっている。とりあえず、見たらムーンライトSY-3号のオモチャが欲しくなる作品。
 
1960年代辺りから怪獣をコントロールする展開が盛り込まれてきていて、本作はその流れを受けて怪獣の生態を利用した小笠原怪獣ランドとリモートコントロールシステムを開発したキラアク星人が登場。ここに怪獣は完全に人間の監視下に置かれる事となった。
 
もう一つ、これまで共存は不可能だった怪獣に対し、段々と人間が怪獣の事を考えるようになってきた流れも本作は受けている。怪獣ランドは怪獣を隔離しているとも言えるが、食料を始めとする環境を整える等、怪獣を排除せずに生きさせようと言う工夫がされている。
 
最終的にゴジラはキラアク星人を倒す事を決めるが、それは同じコントロールするにしても、人間は怪獣を生かす為、キラアク星人は怪獣を兵器にする為と言う違いがあったからだと思われる。
 
ゴジラ』では人間の科学の負の側面として南海から現れて最後は排除された怪獣が、時を経て、本作では科学の正の側面によって小笠原に安住の地を得た。ここに日本の怪獣作品は一つの終着点を迎えたと言える。
 
キラアク星人の最後の切り札ファイヤードラゴンは新怪獣かと思いきや正体はキラアク星人の円盤だった。生物である地球怪獣に対し、キラアク星人の怪獣は既存の生物の概念に当てはまらないキングギドラに科学力で作り出したファイヤードラゴンにと生物感を排除したものになっている。
 
キラアク星人自身も鉱物生命体と言う生物感の無い存在だった。X星人と違って男女両方が出る事は無く、女性だけ出たと言う事は生殖機能も無いと考えられる。ここにも生物と非生物の戦いと言う構図が見られる。
 
最後に、杏子さんからリモートコントロールシステムであるイヤリングを無理矢理に引きちぎる場面が物凄く痛そうだった。他に方法が無かったとは言え…。