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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

「星空の声」 『ウルトラマンX』第1話

ウルトラマンX
「星空の声」
ウルトラマンX』第1話
2015年7月14日放送
脚本 小林雄次
監督 田口清隆
 
熔鉄怪獣デマーガ
宇宙怪獣ベムラー
赤色火焔怪獣バニラ
青色発泡怪獣アボラス
地底怪獣マグラー
冷凍怪獣ペギラ 登場

 

遂に始まったウルトラシリーズ最新作『ウルトラマンX』!
 
冒頭の赤い光球と紫の光球が宇宙空間で追跡戦を行うのは『ウルトラマン』の第1話を彷彿とさせる。そしてその後の復活した怪獣達の中にもちゃんとベムラーがいる。
 
この時に生じたウルトラフレアによって世界各地に怪獣が現れたと言う設定。かつてのウルトラシリーズは「怪獣は既にそこにいる」から始まるのが多かったが、21世紀に入ってから「怪獣が復活した」と言う出だしが多くなってきた。これは作品に登場するのが新しい怪獣より過去作品に登場した怪獣の方が多くなった為、玩具展開における過去怪獣の復活と劇中におけるかつて存在していた怪獣の復活がメタ的に繋がっているのかもしれない。
 
世界各地に怪獣が出現した事を告げるニュース場面のおかげで、怪獣出現が日本限定ではない事、特別チームが世界規模で展開されている事等が短い時間で伝えられている。
凱旋門のマグラーのシーンはゴジラシリーズの『怪獣総進撃』を知っていると思わずニヤリとしてしまうw
 
オープニングを歌うはボイジャー
なんか他のヒーロー作品と雰囲気が違っているなと思ったが、おそらくそれは女性ボーカルの瀬下千晶さんの存在によるもの。ヒーロー作品主題歌のおそらく9割は男性ボーカルのみであると思うので、女性の声が入っている『X』は結構特徴のある主題歌になっている。
 
オープニング曲は爽やかで疾走感があって好きな歌。ただし、映像に関してはイマイチ。登場人物、メカ、ウルトラマンの順番に見せ場を出しているのだが、単に設定を紹介しているだけと言う感じになっている。なんと言うか、雑誌に載せられている写真がそのまま出ている感がする。
『ギンガS』で本編ではUPG全員が一つの場面に揃う事が意外と少なかったのに対し、オープニング映像でじゃれ合ったり戦いに向けて団結力を見せたりする場面を入れる事で本編におけるUPGの描写不足をフォローしていたのに比べると『X』のオープニング映像は物足りない。
 
スパークドールズが引き継がれているので『ギンガ』や『ギンガS』を思い出させるが、サイバー怪獣はスパークドールズより自分の意思を出してきているので、どちらかと言うと『大怪獣バトル』に近い印象を受ける。
 
田口監督による今回の特撮は「巨大感」が出ているのだが、それ以上に「距離の近さ」が出ていると思う。特撮で怪獣が出現してもそれは「画面の向こう側」感があるのだが、今回は岩石やら炎やらがとにかく画面手前(つまり視聴者側)に落ちたり降ったりして、視聴者が思わずのけぞる映像が作られている。
また、岩や炎を使って画面を塞ぐ事で視聴者の視界を一時的に塞ぐ事になり、その「一瞬塞がれた視界」が「今の隙に怪獣はどこまで迫ってきた!?」と言う視聴者の潜在的な恐怖を刺激して迫力のある場面に仕上がっている。
 
アスナ隊員と呼びなさい!」と文句を言うアスナ隊員であるが、彼女の方が先に「大地!」と呼び捨てにしていたりする。
 
神木隊長はフェーズに合わせてXioを動かす事で怪獣事件発生時における事態の推移を視聴者に伝える役割を担っている。
 
ジオブラスターの音声ナビが良いアイデア。最近のヒーロー作品のアイテムはとかく喋るのだが、それを「あくまで状況確認のナビ」とした事で玩具感を減らして特別チームの存在にリアリティを持たせている。
 
怪獣に襲われているのにゴモラのスパークドールズを探す為に瓦礫の中を戻る大地は何だか『帰ってきたウルトラマン』の第1話を思い出した。今回のゴモラはワンちゃん枠なのかな?
 
巨大化変身した後の大地とエックスの会話は「人間と一体化したタイプのウルトラマン」ならあり得る展開。どうしてこれを今までのシリーズではしてこなかったのかと言うと、それは『ウルトラマンティガ』のスタッフインタビューにあったが、スタッフ一人一人のウルトラマン観が違うので、何かを一つに決めると色々と齟齬が生じる恐れがあったからであろう。なので最初は漠然とした感じにして、話を進めるに従って登場ウルトラマンのキャラクターを固めていく事となる。その為、多くのウルトラマンは登場初期はあまりキャラクターを前面に出す事が無い。
それなら逆に『X』はどうして第1話の時点でここまでウルトラマンと人間の関係をはっきりと描写したのかだが、おそらくそれは前代未聞のシリーズ構成が4人いるが理由であると考えられる。おそらくメインで話を書く脚本家4人の間でその辺りのウルトラマン観やら何やらを第1話の時点でかなり細かく決めたのだろう。
 
15年前の大地の父親の話は『特命戦隊ゴーバスターズ』を思い出した。
そう考えたら、アスナ隊員はヨーコちゃんに見えてきた。
 
大地は分析担当。これは『ウルトラマンガイア』の我夢を引き継いだものなのだろう。
非戦闘員である大地がウルトラマンに変身して最前列で戦う事になると言う逆転現象は「変身ヒーロー」ならではと言える。
今回は「大地の怪獣ラボ」と言うコーナーがある。ヒーロー作品はとにかくオリジナル設定が多いので、こういうコーナーは必要不可欠。こういうコーナーが一つある事で登場した怪獣の印象がぐっと強まる。
 
『X』は色々と設定があるが大まかなあらすじは意外と王道。怪獣が現れて、特別チームが出動して、小さい命を守ろうとした主人公がウルトラマンと一体化する。『X』はそう言う王道展開に細かい描写をたくさん付けている。
例えば『初代マン』では科特隊が初代マンを疑い無く応援する場面があるが『X』ではエックスを援護するように神木隊長がXioに指示を下す場面があったり、初代マンとハヤタが必要最低限な会話を交わしたらすぐに力を合わせて戦ったのに対し『X』は大地が巨人と一体化して守る為に戦う事を決意するまでを細かく段階を経ながら見せていっている。『X』は『初代マン』の作品の構造はあまり変えずに一つ一つの場面を細かく細かくしていく事で21世紀に則した作品となった。(情報が多くて細かく描写していく事が良い作品かどうかは置いておいて、時代が経つに従って作品における情報量がどんどん高密度化していっているのは事実)
 
なので『X』は『電光超人グリッドマン』とか平成仮面ライダーっぽいとか言う意見があるが、自分が第1話を見て思い出した作品は『ウルトラマンパワード』であった。あれも『初代マン』を現在(90年代)に作るのなら主人公とウルトラマンはもっとちゃんとした会話をするよね、怪獣とかが街中を飛んだら衝撃波でビルは壊れるよね、マスコミとかも出てくるよね、と作品の構造は『初代マン』と同じで一つ一つを細かく描写していった作品であった。
なので自分は『G』や『パワード』を見た時に近い衝撃を今回の『X』からは受けた。