shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『キングコングの逆襲』(1967年公開)

キングコングの逆襲』

1967年7月22日公開

監督 本多猪四郎

特技監督 円谷英二

脚本 馬淵薫

 

東宝が『キングコング対ゴジラ』の時に得た使用権が切れる前にもう一本作る事になったキングコング作品。実は『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』は元々はキングコング作品として企画されたのだがアメリカ側が難色を示した為にゴジラ作品に変更され、代わりに企画されたのが本作であった。
 

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東宝が作るキングコング作品であるが『キングコング対ゴジラ』との繋がりは無い。『フランケンシュタイン対地底怪獣』と『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』のように前作を思わせる要素はあるが劇中では明確に別作品として扱われている。しかし、劇中でキングコングの存在が確認される前にそれを模倣したメカニコングが既に作られていたり、北極に放射性物質エレメントXが大量にある等、『キングコング対ゴジラ』の続編にした方が話の展開がスムーズになった気はする。
 
本作のキングコングは感情表現が非常に豊か。
モンド島で潜水艦に乗ったスーザンを見送る場面の哀しさはもはや名優の域であった。
モンド島でのゴロザウルスや大ウミヘビとの戦いでは野性味溢れるキングコングの戦いが見られ、大自然のパワーと言うものを感じる。
 
最初にメカニコングが登場し、中盤でキングコングを操る催眠光線投射機が登場し、最後は催眠光線投射機を搭載したメカニコングが出撃すると言うように、ロボットだからか敵のパワーアップが分かりやすく描かれている。
それにしても『地球防衛軍』のモゲラもだったが、土木作業用ロボットは劇中での活躍が微妙なのが多いなぁ…。
 
悪役であるドクター・フーとマダム・ピラニアのやり取りが面白い。
お金が無ければ計画は進まないはずと言うマダム・ピラニアとお金があっても実際に計画を進められるのは自分だけと言うドクター・フーの対立を軸に話が展開する。この二人は計画の主導権を握ろうと、お互いに牽制し合い、独自の計画を進める。正直言って、この二人がもっとガッチリと手を組んでいたら計画は成功していたんじゃないかなと思うが、そこが悪役と言うもの。
最終的にマダム・ピラニアは悪事に加担していると言う自覚はあっても祖国への忠誠と言う誇りがあり、それが失敗を認めた後はネルソン達を逃がす等して計画の幕引きを計る行動に表れ、逆にドクター・フーは誇りと言ったものは無く、最初はメカニコングの素晴らしさを訴えながら、それが駄目と分かるやすぐさまキングコング捕獲に動き、マダム・ピラニアの国の協力を受け続けられないと見るや他の国にエレメントXの場所を売りさばこうとする等、節操が無い。(それはメカニコングの図面すらネルソンから盗んだものだったり、メカニコングの素晴らしさを示す為に「キングコングではこうはいかん!」と豪語していながら、メカニコングが失敗してキングコングを洗脳するとなったら「メカニコングではこうはいかん!」と言っちゃうところにも表れている) 最終的にこの誇りと節操の無さが引き際を誤らせる事になり、ドクター・フーは自滅する事になる。
 
ちょっと残念なのが主役側。ドクター・フーとマダムピラニアの割を食った感じになっている。
例えばキングコングはスーザンに惚れていて、そのスーザンと野村は恋人のように描かれていて、スーザンを中心にした人間と怪獣の三角関係が出来ている。これは『キング・コング』からのパターンであるのだが、キングコングと野村の話が殆ど無く、スーザンがキングコングと野村の間に立っている構図が出来上がっていない為、この三人の話があまり機能していない。
また、ネルソンとドクター・フーがライバルのような関係と言うのは面白いのだが、ドクター・フーはともかくネルソンがメカニコングを設計した理由がよく分からず、映画全体を見てもネルソンは何をしたかったキャラなのかが分かりにくい。
いっそ、ドクター・フーとマダムピラニアの二人を主役にして、キングコングを利用しようとした悪人が最後はキングコングによって破滅すると言う話の方がすっきりしていたと思う。
 
キングコングとメカニコングの決戦の場所は東京タワー。
キング・コング』のエンパイア・ステート・ビルのシーンの再現として本作では東京タワーに登る事になった。重量のせいで怪獣対決では何かに登って戦う事自体が少ないので印象に残る決戦となった。個人的に怪獣対決で「上に行く」と言う構図は本作くらいしか思い浮かばない。
東京タワーでキングコングとメカニコングが激しく戦えば、捕らえられているスーザンが振り落されてしまう恐れがあると、怪獣対決の盛り上げがそのまま人間ドラマのクライマックスにも作用しているのが上手かった。