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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

「禁じられた言葉」 『ウルトラマン』制作第33話

ウルトラマン

「禁じられた言葉 -メフィラス星人登場-」

ウルトラマン』制作第33話

1967年2月26日放送(放映第33話)

脚本 金城哲夫

監督 鈴木俊継

特殊技術 高野宏一

 

悪質宇宙人 メフィラス星人

身長 2m~60m

体重 40t~2万t

バルタン星人達を配下に従える強豪宇宙人。おそらく『ウルトラマン』において最強の宇宙人。人間の心が欲しかったらしい。

テレパシーを使い、逆引力、物質転送、停止光線、手から怪光線と多彩な能力を持つ。他にもフジ隊員を巨大化させて操った。ウルトラマンと互角の戦いを繰り広げるも宇宙人同士が争ってもしょうがないと言い残して去ってしまった。

名前の由来は『ファウスト』に登場する悪魔「メフィストフェレス」から。

 

誘拐怪人 ケムール人(2代目)

身長 55m

体重 1万6千t

体の大きさが前回の倍以上になり、体の模様が鮮明になった。メフィラス星人に若くて健康な人間の体を与えるとでも言われたのだろうか?

 

宇宙忍者 バルタン星人(3代目)

身長 50m

体重 1万5千t

体の色が黒っぽくなり、口の辺りが白っぽくなっている。やはり、メフィラス星人との間に地球の取り分についての密約があったと見るべきか?

 

凶悪宇宙人 ザラブ星人(2代目)

身長 40m

体重 2万t

胸の辺りに白い三角形が付いている。ウルトラマンへの復讐が目的だろうか? ただし、ザラブ星人の話を聞くに最初から誰かに仕えていた節もあった。

 

巨大フジ隊員

身長 40m

体重 1万t

メフィラス星人に言葉も記憶も奪われ、ロボットのように操られてしまった。鉄砲の弾にも平気で、ビルを破壊する。虚ろな目で辺りを徘徊するのが怖い。

 

物語

フジ隊員の弟サトル君の前にメフィラス星人が現れた。メフィラス星人はサトル君に「あなたに地球をあげます」と言わせようとするが…。

 

感想

紳士的と言われるメフィラス星人だがすぐ怒る。第一、紳士は侵略なんかしない。
しかし、悪役として十分に魅力的なのは確か。フジ隊員を巨大化させたり、過去の侵略者達を呼び寄せたりと強豪宇宙人の名に恥じない存在感。(ただし、この時の侵略者達はただの立体映像では?と言う説もある)

 

今回の話はホシノ君が出られなかったのが本当に残念。今まで科特隊やウルトラマンと共に戦ったホシノ君なら説得力もあったのに。怪我だから仕方が無いが…。

 

冒頭に出てくる超音速旅客機は『ウルトラQ』の206便を思い出す。今回も超常現象に巻き込まれる超音速旅客機であるが、逆引力で宇宙に捨てられた飛行機の墓場は「206便消滅す」の不思議な空間に通じるものがある。

 

久々にハイドロジェネレードロケットが登場。今回は宇宙船の攻撃を撥ね返す等、ジェットビートルが大活躍だった。

 

よく突っ込まれる事だが、ムラマツキャップは我々科特隊がケムール人達を退治したと言っているが誰も退治していないぞ。バルタン星人は退治したと言っても良いのだが…。

 

時間が無いとしてハヤタ隊員を見捨てる事にしたムラマツキャップ。ひょっとしたら、ハヤタ隊員の正体に気付いていて、ウルトラマンならきっと何とかなると考えたのかもしれない。

 

メフィラス星人が出現させた過去の侵略者達の中にダダがいない。代わりにケムール人がいるのだが、これはどういう事だろう?

「人間標本5・6」でも書いたが、ダダはバルタン星人ザラブ星人と違って、ウルトラマンとの関係が薄い。それに対して、ケムール人は地球の未来の影の部分を象徴していると考えると、地球の未来の光の部分を象徴しているウルトラマンとは表裏一体の関係と言える。メフィラス星人も悪魔をイメージさせる事で神のウルトラマンと表裏一体になっているので、今回は裏ウルトラマン達が集結した話と言う事になる。

 

珍しく喋るウルトラマン。でもメフィラス星人の返答が「スパイめ!」なのがよく分からない。メフィラス星人ウルトラマンが地球侵略の準備で地球に留まっていると考えていたのかもしれない。

因みにこの会話は人間には聞き取れないテレパシーで行われていたらしい。後に流暢な日本語を使う宇宙人が続々と出て来るが、それらも一種のテレパシーなのかもしれない。

 

今回のウルトラマンメフィラス星人戦はかなり面白い。

ウルトラマンの八つ裂き光輪やスラッシュ光線を弾くメフィラス星人。あのまま戦い続けていたら、どちらが勝ったのだろうか?

 

メフィラス星人の敗因は何か? それは人間をみくびっていた事であろう。サトル君は思ったより抵抗し、防衛軍に宇宙船を発見され、科特隊に宇宙船を破壊されてしまう。メフィラス星人はハヤタ隊員に向かって宇宙人ウルトラマンと呼び続けていたように人間ハヤタ隊員など眼中に無かった。みくびっていただけに負けたショックが大きかったのだろう。

もっとも人間全てが今回の話のように素晴らしいわけではない。今回は理想を謳った話なのだ。

 

メフィラス星人に「貴様は宇宙人なのか? 人間なのか?」と問われ、「両方さ。貴様のような宇宙の掟を破る奴と戦う為に生まれてきたのだ」とあっさり答えるハヤタ隊員。後のヒーローが自分が何者なのかで悩むのに対し、ハヤタ隊員は自分が何者であっても宇宙の掟(正義や平和)の為に戦うと言う確固たる信念があった。

 

本作の脚本は金城さん。

「誰だって故郷は捨てたくないものだ」と言いながら、アメとムチで故郷を捨てさせようとするメフィラス星人は金城さんにとってまさしく悪魔だったのかもしれない。