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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』(1968年公開)

ガメラ

ガメラ対宇宙怪獣バイラス』

1968年3月20日公開

監督 湯浅憲明

脚本 高橋二三

 

ガメラシリーズ第4弾。

これまであった大人中心のパートが無くなって全てが子供中心の展開になり、前作に登場した『ガメラの歌』を引き継いだ『ガメラマーチ』が登場する等、完全に子供向けとなった作品。

 

本作のガメラは正夫とジムが乗った潜水艦と一緒に泳いだり、バイラス星人のスーパーキャッチ光線から正夫とジムの潜水艦を助けたりする等、子供好きの側面が強調されている。人間の至近距離にいながらガメラに怖さを感じないと言うのは、ゴジラが人間寄りになってもどこかに怖さを残していたのと差別化され、ガメラの魅力の一つとなった。

 

冒頭のガメラバイラス星人の宇宙船の戦いで、敗北したバイラス星人が「地球上に恐るべき生物を発見せり! その名は…!」と言い残したところで宇宙船が爆発し、それと共に「ガメラ」と言うタイトルがバーン!と出る演出が滅茶苦茶カッコイイ!

 

敵キャラクターであるバイラス星人を冒頭で一度敗北させる事で、バイラス星人がガメラに拘る理由付けが上手くなされていた。

 

バイラス星人は正夫とジムを人質にとるが、破壊活動さえしなければ宇宙船の中を自由に動いて良いと言う等、意外と寛容。この辺りはガメラ相手はともかく地球人相手には決して負けないと言う自信が見えてなかなかの強敵感がある。

 

バイラス星人は捕らえた人間の体を乗っ取っていて、腕や頭があっさり切れるところは結構驚かされる。

 

バイラス星人に捕まった宇宙怪獣と思われた存在が実はバイラス星人のボスだったのは驚きだった。正体を知らなかったとは言え、正夫とジムがバイラスを可哀想だと同情して助けようとしたり、バイラスの方も正夫とジムに付き合ったりと奇妙な縁が出来たのが面白かったが、このエピソードが後に生かされなかったのは非常に残念だった。

バイラス星人も知的な印象がありながら巨大化した後は単に暴れる怪獣になってしまったのは残念で知的生命体ならではの戦いぶりを見せてほしかった。

 

ガメラバイラスの戦いでは、やはりバイラスの槍状の頭部でガメラの腹部を突き刺したのに驚かされた。どう考えてもあれは死んじゃうぞ!

 

バイラス星人の脳波コントロール装置で操られたガメラは都市を破壊する。この場面は『大怪獣ガメラ』と『ガメラ対バルゴン』の映像を流用しているのだが、さすがにカラー作品の中にモノクロのシーンを入れるのは止めてほしかった。違和感がハンパない。ガメラが都市を破壊する場面がこの2作にしかないので仕方が無いのは分かるのだが…。

 

悪戯好きの少年達があれよあれよと言う間に地球の命運を左右する事になる。最初はワガママで自己中心的だった少年達が最後は地球の為に自己犠牲を選択すると言う展開なのだが、あまりその辺りが描けていないのが残念。

理由の一つは家族である正夫の姉があまり悲しそうにしていない事。悲しんではいるんだろうけれど、とてもそうは見えなかった。

もう一つの理由は周りの大人が優しかった事。バイラス星人は破壊活動をしなければ宇宙船の中で自由に振る舞って良いと言っていて、酷くても拘束するくらいで危害を加える事は無かった。国連も正夫とジムの命を守る為に地球人全員の降伏を認める等、本作には正夫やジムに対して厳しい態度を取る大人がいなかった。この辺りはガメラシリーズの大人らしいなと思う半面、結果として、人質に取られた事による正夫とジムの危機と言うのを削いでしまった。

あとは展開の都合の良さであろうか。宇宙船の中では正夫とジムが願えば食料と飲み物を絶えず支給してくれる等、悪い環境ではなかった。また、破壊活動だけは不可能と言っていながら、正夫とジムがスーパーキャッチ光線と脳波コントロール装置に細工をするのはOKだったりと、あまりにも正夫とジムに都合が良く、危機感が伝わらなかった。

 

バイラス星人の宇宙船等、面白い要素もあったのだが、活かせていないのが多かったのが残念な作品だった。