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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966年公開)

ゴジラ

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』

1966年12月17日公開

監督 福田純

特技監督 円谷英二

脚本 関沢新一

 

この辺りから知名度と評価が下がっていくのかな?
全体的に軽快なテンポで楽しんで見られる半面、ドラマが弱いので後半の盛り上がりに欠けると言った感じの作品。
 
まずは人間ドラマから。
これまでのゴジラシリーズは学者やマスコミや警察が主人公で人類の為に動くと言う意識が強かったのだが、今回は金庫破りに遊び人の大学生に兄を探す為に無茶をする子供と自分の為に動く人達が主人公になっている。
金庫破りの吉村は犯罪者が主人公と言うかなり掟破りな人物で時々見せるカタギじゃない一面が魅力的。
展開に流されていた大学生二人が最終的に赤イ竹を壊滅させるきっかけを作るのが面白い。
冒頭から話に出ていた良太の兄ちゃんは意外と役に立たないw と言うかピンチを招いてばかりだった。この兄弟はもう少し考えてから行動に移せよとツッコみたくなるw
 
赤イ竹は核兵器を密造している秘密組織との事。遂にアメリカやソビエトと言った大国だけでなく、こういう国に属していないテロ組織も核兵器を持つようになったのか…。
 
赤イ竹はエビラが嫌う黄色い汁の製造方法を知っていたインファント島の住民を捕らえて働かせてしまう。最後は吉村達の手助けがあって助かったが、これでまた島民の中に文明社会を嫌う人が増えてしまいそう…。
 
今回は話の規模が小さいので南海限定の怪獣エビラの恐怖が描けていた。怪獣は舞台を小さくして人間との距離を縮めた方が怖さが出るような気がする。あまり話題になっていない感じがするが、エビラの最初の捕食シーンはちょっと驚いた。
 
ゴジラとエビラの戦いはゴジラシリーズ初の本格水中戦、岩のぶつけ合い、エビラのハサミをもぎ取って勝利するゴジラと面白い絵があるのだが、キングギドラの後に出るにはどうにも弱いイメージがあるので、後半の戦いが盛り上がらなかったのが残念。
エビラはキングギドラ程の圧倒的な強さは無いが水中では誰にも負けないとか言うふうにして、ゴジラとエビラのどちらが勝つか分からないようにしてほしかった。
 
今回のゴジラは都市には現れず、どこかのんびりした感じ。
ダヨの事を気に入ったように見えるが、それでもダヨの為に戦うほどの関心は払っていない。赤イ竹や大コンドルと戦ったのは向こうから攻撃を仕掛けてきたので反撃しただけ。ただし、自分と同じ大きさであるエビラやモスラには自分から戦いを仕掛けている。本作のゴジラは人間の味方と言うより、自分と同じ大きさや強さの相手とは戦うが、それより小さいものにはあまり関心が無いと言う感じ。
 
本作で興味深いのは主人公達が「ゴジラは中立」「ゴジラに悪意は無い」「結果的に味方になってくれた」と言い、レッチ島が爆発する時にはゴジラに逃げるよう呼びかけ、最後はゴジラが生きていた事を知って喜んでいる事。
本作はゴジラの立ち位置はこれまでと同じなのだが、人間側が結果的に赤イ竹を倒してくれたゴジラを自分達の味方だと認識を改めている。ゴジラそのものは変えずに人間側の意識を変える事でゴジラに人間の味方と言うイメージを付けた。
ゴジラシリーズが続いていく上でゴジラと人間を対立させたままでは展開が難しくなっていたが、人間の都市が無い島が舞台だと人間とゴジラが対立する事は無く、そこで人間の敵をゴジラが倒せば、結果的にゴジラは人間の味方と認識される事が判明した。
モスラゴジラ』では悪役だったゴジラが作品を経るにしたがって人間側の怪獣(正確には人間にとって都合が良い怪獣)になっていく変遷は中々に興味深い。
 
さすがにゴジラが人助けをするのはおかしいので人助けはモスラの役目に。
さんざ眠っていながら最後においしい役目を担い、ゴジラをチョップ一発で吹っ飛ばしていくモスラゴジラはちょっと怒っても良いと思うw
本作は元々はキングコングを主役にする予定だったらしく、キングコングの役目のうち、ゴジラが破壊を、モスラが救助を担当した感じとなった。
 
ゴジラを中立の存在としたのが上手く、この辺りのゴジラの描き方の絶妙なバランス具合はもっと評価されても良いと思う。