読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

「まぼろしの雪山」 『ウルトラマン』制作第30話

ウルトラマン

「まぼろしの雪山 -伝説怪獣ウー登場-」

ウルトラマン』制作第30話

1967年2月5日放送(放映第30話)

脚本 金城哲夫

監督 樋口祐三

特殊技術 高野宏一

 

伝説怪獣 ウー

身長 40m

体重 不明

夏でも雪に覆われている飯田山に現れた。海坊主や雪女のような架空の存在と思われていた。ユキの死んだ母親の魂と考えられたが全ては謎のままとなった。最後はユキと共に山に帰ったと言われているが…。

名前の由来は幻の企画『WOO』から。

 

物語

飯田山のスキー場にウーが現れた。このままでは村の観光産業は大打撃を受けてしまうとして、科特隊がやって来る事に…。

 

感想

ウルトラマン』で最も可哀相な怪獣として名前が挙がるのはジャミラだが、個人的には今回のウーの方が可哀相だと思う。ジャミラは復讐の為とは言え無関係な人々を襲ったが、ウーは人々に直接危害を与えていない。いや、与える力すら無かったのかもしれない。それでも人々はウーとユキを怪獣として倒そうとする。

 

ウーは結局何者だったのか? 様々な解釈が可能だろう。ただし、一つだけはっきりとしている事がある。ウーは人間社会に入れてもらえない可哀相な存在だと言う事。

「怪獣」とは何か? 劇中、ユキは科特隊の事を「何でもかんでも怪獣呼ばわりして殺してしまう恐ろしい人達」と言っている。ここで大事なのは「怪獣呼ばわり」と言う言葉。つまり、「怪獣」とは他者が勝手に貼ったレッテルと言う事。「怪獣」とは人間社会にとって不都合な存在に貼られたレッテルと言える。

 

ユキは結局何者だったのか? 本当に雪女の子供だったのか、人間だったのか。

ただし、一つだけはっきりとしている事がある。ユキも人間社会に入れてもらえない可哀相な存在だと言う事。ある意味、ユキもウーと同じ「怪獣」と呼んでもよいのかもしれない。(村の人達はユキの事を「怪獣っ子」、「雪ん子」と呼んでいた)

 

劇中ではユキを迫害する飯田山の住民が描かれていたが、住民を単純に悪とは決め付けられない。住民が生きていくうえで猟もスキー場も必要不可欠なもので、それを妨害するウーとユキを煙たがるのは当然の事だろう。

 

「故郷は地球」に続いて怪獣(ユキ)と自分を重ね合わせて戦いに迷いを見せてしまうイデ隊員。一方、それら全てを割り切って職務を全うしようとするアラシ隊員。

この両者のスタンスの違いは以降のシリーズにも引き継がれていく。

 

あまり話題にならないが、今回はムラマツキャップとフジ隊員が出ていない。

科特隊のレギュラー陣が誰か1人でも全く出ないのは本作のみ。

 

今回のハヤタ隊員は落とし穴にはまって足を捻挫してメチャクチャ痛がっている。今まで人間味に欠けていたが、この辺りから人間味が出てきた感じ。

因みにウルトラマンは足を全く庇っていない。

 

ウルトラマンCタイプ登場。口元が広がって微笑んでいるように見え、胸や腕に筋肉が付けられた。後にゾフィや帰ってきたウルトラマンにも受け継がれたウルトラマンの完成形。

こうしてAからCタイプへの変遷を見ると、ウルトラマンが謎の宇宙人から正義のヒーローへと変わっていったのが見て取れる。

 

成田氏は怪獣をカオス(混沌)の典型とし、対するウルトラマンコスモス(秩序)の典型と考えた。そしてウルトラマンにアルカイック・スマイルと人間の徹底的な単純化を求めた。

因みに当初は青いラインだったが撮影上の理由で赤に変更され、後にカラータイマーが付けられる事となった。

 

ウルトラQ』と『ウルトラマン』には地球出身の怪獣が多く出ている。それらが同じ地球出身の人間に倒されるのは様々な名称を付けられて中央政権に倒されていった人々を思い出させる。特に『ウルトラマン』では「ウルトラマン」と言う絶対的な武力がある為、その構図がより鮮明に出てしまった。このテーマは後に「怪獣墓場」でも語られる事になる。

因みに『ウルトラセブン』以降は怪獣を侵略者の手先にしたり外宇宙からの脅威とする事で、このテーマをなるべく避けている。再びこのテーマを取り上げたのは怪獣を自然の精霊(妖怪)と捉えた『ウルトラマンT』であった。(今、思ったのだが、ウーもユキも人間社会より怪獣墓場にいた方が幸せに暮らせるような気がする)

 

ユキが迫害される決定的な理由となった西山の爺さんがはまって死んだ落とし穴。後にハヤタ隊員もはまったが、これは村の子供がユキをはめる為に掘ったものではないだろうか? だとしたら凄くやり切れない。

 

ウーがスキー場に現れた時にリフトに乗っていたスキー客はさぞ怖かっただろうなぁ。

 

本作の脚本は金城さん。やはり金城さんの人生と関わっているのだろうか? 思い出深いであろう『WOO』の名前を付けているし…。