shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ターミネーター』(1984年公開)

ターミネーター』(The Terminator)

1984年10月26日アメリカ公開

 

ターミネーターシリーズ第1弾。
 
第1作ではアーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800はヒーローではなく主人公のサラを狙う殺人アンドロイドなので本作にヒーロー要素は無く、どちらかと言うとモンスター作品に近い。
 
モンスター映画と言えばゾンビを始めとして「不死身の化け物」である事が多いが、本作はそれを「アンドロイドなので不死身である」としている。クライマックスでT-800が骨格のみで迫ってくるのも骸骨が襲ってくるようなものと考えられる。そう考えたら、T-800と戦える知識を持つ唯一の人物カイル・リースは化け物を退治するエクソシストだったとも言える。
 
多くのモンスター映画は「遥か昔のお話が現代に蘇る」展開なのだが、それを本作では「遥か未来のお話が現代に干渉してくる」と真逆に振っている。
 
本作をモンスター映画として見た場合に特色なのは、多くのモンスター映画が人知れない所で事件が起きて、登場人物は大勢の人間がいる場所か警察に逃げ込めば助かるかもと言う希望を抱いてモンスターから逃げるのに対し、本作は大勢の人間がいようが警察に逃げ込もうがT-800は関係無く殺しにかかってくると言うところである。この展開により、T-800を倒さない限り安息の日は訪れないと主人公の絶望感を増す事となった。こういう展開が可能になったのはモンスター映画が基本的に「事件」の延長線であるのに対し、本作は「戦争」なので大勢の人や警察の目から隠れる必要がT-800に無かったからと考えられる。
 
未来で人々の骨が重機で踏み潰される回想シーンの後に現代で人間が重機を使っている場面に示されているように、今の人間は人の命を簡単に奪う事が出来る機械に囲まれて、その危険性に気付かないまま過ごしている。しかし、話は単純ではなく、スカイネットの機械軍を倒す為には人間も機械を使わなければならず、最後は工場のプレス機でT-800を押し潰す事でようやく勝利を収めている。
 
モンスター映画では生き残る為にモンスターと戦う事を決意した人間もモンスターと同類の「化け物」まで堕ちていく描写が見られる。本作でもそう言う「人間と機械の境目」が曖昧になる場面が見られる。
T-800は外見が人間を模して作られた為、その行動は機械的でありながらも人間臭さを感じてしまう。一方でカイルは人間でありながらもサラを守ってT-800を倒す為には手段を選ばない時があり、その時の彼は人間でありながらも殺人マシーンのようにも見える。
そしてクライマックスのサラは言わずもがな。ぶっちゃけ、クライマックスのサラは本作で最もドスがきいているキャラだった。
 
本作のタイムスリップについては細かく考えていくと矛盾が出るようなのだが、それでも「カイルが英雄視していたジョンの父親は実は自分であった」とか「カイルがサラに恋をするきっかけとなった写真は実はサラがカイルの事を想っていた時のものであった」とか話としては振ったネタを上手く回収しているので、ここは理屈や理論じゃなくて心情的なもので捉えた方が良いと思う。