shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007年公開)

ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(FANTASTIC4 RISE OF THE SILVER SURFER)

2007年6月15日アメリカ公開

脚本 ドン・ペイン マーク・フロスト

 

 
個人的な意見だが、アメリカのヒーロー映画はシリーズ1作目より2作目の方が好きな作品が多い。
1作目はヒーローの誕生を描くので、ドラマは良いのだがヒーローの能力を使ってのバトルは後半になるまで無い作品が多い。それに比べて2作目となると、最初からヒーローは能力全開で活躍してくれる。自分はヒーローが能力を披露している場面が好きなので結果的に1作目より2作目の方が好きな作品が多い。
因みにシリーズ3作目になると人気が出て色々な方面から口出しが出てくるようになるのか、「この要素は次に回して、今回はこの要素だけで話をまとめてほしかったな…」と言う作品が多い感じがする。なんとなくだけど。
 
 
前作ではファンタスティック・フォーが能力を駆使してのアクションは少なめだったが今回は冒頭から能力全開。
シルバーサーファーも最初から出てくるので非常にスピーディーな追撃戦が見られる。
 
ファンタスティック・フォーは4人の能力がきっちりと差別化されているので、それらを生かしたシチュエーションがある。中盤の観覧車崩壊を食い止める場面は怪力のベンが支え、スーザンがエネルギーシールドで崩壊を食い止め(崩壊する観覧車に押されて川に落ちるかと思いきや、エネルギーシールドで足場を作ると言うアイデア付き!)、リードがゴムの体を生かして観覧車を引っ張ると見事な連携。途中でリードとジョニーの能力が入れ替わったら、猪突猛進なジョニーと違ってリードはその発火能力で観覧車と支柱を溶接すると言う機転を見せる。こういう各々の能力を生かしたシチュエーション作りが本シリーズは実に上手い。
 
終盤ではシルバーサーファーとの接触で他のメンバーと能力の入れ替えが出来るようになったジョニーがその応用でファンタスティック・フォー4人の能力全てを自分に集結させる。これは見て分かりやすいパワーアップで、しかも複数の能力を同時に使い、さらには複数の能力を掛け合わせて威力を倍増させる等、クライマックスに相応しいバトルを見せてくれた。パワーアップでこれまで見せた能力を全乗せすると言うのは日本のヒーロー作品でも見られるが、本作では能力が四つと少なめだった事もあり、それぞれの能力を効果的に使いこなせた。
 
 
ドラマに関しては、ファンタスティック・フォーはスーパーマンバットマンスパイダーマンと違ってヒーローの存在や正体が公になっている事が特徴。そのおかげでリード達は前作に比べて資金面の問題はクリアーされたようだが、その一方でプライベートが無くなると言う問題が起きた。皆の支持を集めるヒーローの存在と正体が公になったらハリウッド俳優のようないわゆるセレブみたいな扱いになると言うのはなるほどと思った。
 
もう一つ、ヒーローの存在と正体が公になったら必ず出てくるのがその戦力をどう扱うかと言う問題。いわゆる政府や軍との関係。今回はアメリカ軍のヘイガー将軍が登場してリードと微妙な関係を見せるのだが、途中でヴィクターにやられてしまい、その辺りの掘り下げは行われなかった。
ヘイガー将軍はアメリカ軍でありながらイギリスやドイツにも軍を展開させ、ロシアに秘密基地を有する等、色々ときな臭い存在であったが特に何をやると言う事無く退場してしまったのが残念。科学者のリードと軍人のヘイガー将軍の考え方の違いとか色々と描けたと思うのだが。
 
 
ヴィクターは前作もそうだったが基本的に「奪う」キャラクターである。
そして今回もリードの研究を転用してシルバーサーファーのサーフボードを奪っている。
途中で倒されてしまうがあれで終わったとは思えないので、3作目を作ってヴィクターとの完全決着を描いてほしかった。
 
 
前作は顔見知りである5人が超能力を得た事で色々と悩み、舞台もニューヨークを中心とした非常に狭い世界の話であったが、今回は宇宙からシルバーサーファーとギャラクタスが襲来し、地球上の舞台も日本とエジプトに始まり、イギリス、ドイツ、ロシア、中国と世界各地に広がって非常にスケールの大きな話となっている。前述のようにファンタスティック・フォーはそれぞれの能力をフルに活用し、後半ではスーパーメカのファンタスティックカーも出る等、見ていて飽きないエンターテイメントとなっている。
 
と、まぁ、面白い作品ではあるのだが上映時間は92分と短い。あの『スーパーマンⅣ』より1分短い。なのでドラマに関しては色々と不満がある。ファンタスティック・フォーとドクター・ドゥームは前作でキャラ説明が終わっているのでこちらは問題無いのだが、本作で登場するシルバーサーファーとギャラクタスのドラマがかなり弱い。
 
シルバーサーファーは本当は破壊者ではなく止むを得ない事情があってギャラクタスの手先になっていた事が分かるのだが、それはセリフで説明されるだけ。ここは映像で見せてくれた方が色々と分かり易かったしシルバーサーファーに感情移入しやすくなったと思う。
シルバーサーファーがこれまでいくつもの星をギャラクタスに捧げていた中、地球ではそれが出来なかったのはスーザンが自分の愛した人に似ていたからと言うのが理由。う~ん。結局のところ、シルバーサーファーって自分の事しか考えていなかったんじゃ…と言う感じになる。少なくとも、これまでシルバーサーファーによってギャラクタスに捧げられてきた星の人々は納得できないだろうなぁ…。
 
ギャラクタスは超巨大なエネルギーの塊のように表現されているが、シルバーサーファーの説明を聞くに知的生命体と交渉が出来る知能を有しているようで、劇中ではこの辺りのイメージが乖離したまま終わっている。
もう少し時間があればシルバーサーファーとギャラクタスの描写が増えてこの辺りの説明不足が解消されたのかなと思う。