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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』(2005年公開)

ファンタスティック・フォー

ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』

2005年7月8日アメリカ公開

脚本 マーク・フロスト マイケルフランス

 

ファンタスティック・フォー2部作のうちの一本目。
 
宇宙線の影響で超人的な能力を身に付けた4人(と一人)の話。
体がゴムのように伸びる、透明になる、炎に包まれる、岩石になるとファンタスティック・フォーの能力は視覚的に分かりやすく映像作品との相性は良いと思う。特にCGが発達した現在向きと言える。
 
 
自身の体が普通の人間でなくなった事に対してネガティブな展開になるのがベンでポジティブな展開になるのがジョニー。
 
ベンは姿形が変わって周りから奇異の目で見られて日常生活を送るのにも色々と不都合が生じる。何もしていないのに怖がられて警察に取り囲まれ、妻とは愛があったがその妻は変わり果てた姿になったベンを愛し続ける事が出来なかった。ヒーローもヴィランも普通の人間ではない点では同質の存在なのだが、何だかんだ言ってヒーローはカッコイイ姿をしていてその辺りには救いがあったりする。それをベンは姿が完全に化け物になる事によって「ヒーローも普通の人間から見れば実は化け物」と言うのをストレートに描いた。
そんなベンが救われるきっかけになるのがアリシアと言う盲目の女性。目が見えない彼女を出す事でベンは姿形は人間ではなくなっても心は人間のままである事が示された。また、健常者はベンを奇異の目で見て、障害者のアリシアはベンの心情に共感できたと言うのは『X-MEN』のミュータントの扱いに通じるものがある。
 
一方のジョニーはその派手な能力を見せつけて世間の注目を集めて人気者に。
面白いのはジョニーのキャラクターが超能力を身に付けた前後で変わったのではなく、超能力を身に付けようが身に付けまいがジョニーは明るく社交的だったと言う事。そしてその性格が人気に繋がったと言え、超能力を身に付けたから人気者になったのではなくジョニーは元から人気者になれる資質があったとなる。この辺り、人に好かれる嫌われると言うのはその人の人格によるところが大きいと言える。
 
 
本作の主人公であるリードとラスボスであるヴィクターは色々な面で対比されている。
野心家であるヴィクターはリードの元カノであるスーザンを自分の部下にして求婚し、リードの研究を買い取り、ベンを唆してリードと喧嘩させた。
ヴィクターの話を聞くと彼はリードの才能を認めている事が分かり、自身が勝てないリードへの嫉妬が見え隠れする。そのリードを従わせたいと言う歪んだ気持ちが今の彼を大きく動かしていると考えられる。(それをヴィクター自身は自覚していなさそうなのがまた厄介だが)
リードから全てを奪えると思っていたヴィクターだがリードの実験の失敗で会社の経営が傾いて買収されそうになり、自身も顔に傷を負い、さらに伝染病の一種にかかった疑いがもたれて普通の社会生活も送れなくなりそうになる。その一方でリードは超能力を得た事で有名人になり、その宣伝効果か研究に新たなスタッフが加わるようになり、スーザンともよりを戻してと順風満帆。ヴィクターからすればリードに全てを奪われたと感じるのも無理は無い。ここでリードが苦悩していればまた違ったのだろうけれど、ゴムの能力を手に入れたリードは結構この能力を有効活用していたので、それが余計にヴィクターの怒りを買ったと思われる。(それが自分と同じ境遇のベンを唆す事に繋がったのかも)
ジュリアン・マクマホンはヴィクターを巨悪と言うよりどこか脆さを抱えた野心家のように演じていた。前半のヴィクターが決して万能ではない人間的なキャラであっただけに後半のドクター・ドゥームになってからの非情さが際立った。彼は生身の人間から鉄の体へと変異し、最後に鉄仮面を付けて表情を隠した事で完全に人間である事を捨てたのだ。ここは化け物の姿を持ちながら心は人間のままだったベンとの決定的な違いだったと言える。
 
 
主人公のリードであるが実は結構なダメ人間である。
研究にのめり込んでいると言えば良いが、世間が分からず他人の気持ちが分からず、他人の反応を恐れて自分の殻に籠っているところがある。なので、ベンやスーザンが好意を寄せ、ファンタスティック・フォーのリーダーに選ばれた理由がイマイチ分からない。劇中ではそのダメさも含んでベンもスーザンもリードを選んだと言う事になっているので、その辺りもヴィクターがリードを逆恨みする原因なのかもしれない。
 
 
原作ファンからの評判はイマイチのようだが、自分は原作を知らない事もあってか楽しめた。短い時間にシリアスからコミカルまでが程良く混ざっていて上手くまとまっていると思う。日本語版エンディングであるORANGE RANGEの『キリキリマイ』も実は好き。