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shoryu38の特撮・ヒーロー日記

ウルトラマン、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年公開)

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(AVENGERS AGE OF ULTRON)

2015年5月1日アメリカ公開

 

マーベル・シネマティック・ユニバース第11弾でアベンジャーズシリーズの第2弾。

 

前の『アベンジャーズ』が「複数のヒーローが集結して戦うようになる」と言う非常に分かりやすい展開だったのに対し、今回は「チームとなったヒーロー達だったが、それぞれの間に「線」がある事を知る」と言うやや難しい展開になっている。なので前の『アベンジャーズ』がフェイズ1の最終作として一つの区切りとなる作品だったのに対し、今回の『エイジ・オブ・ウルトロン』はこれから起こるであろう騒乱の前振りと言う感じが強い。
 
トニー・スタークは武器商人として財を成し、かつては自分達は正義であるとして悪のテロリストを倒す事に何の疑問も抱いていなかったが、自分の開発した武器がテロリストの手に渡って多くの人が傷付いている事を知って武器開発を止める。しかし、会社が密かに武器をテロリストに横流ししていたのを知り、人間不信に陥った彼は全ての武器を一つに集めた最強のスーツを作り、自ら着込んでアイアンマンとなった。つまり、アイアンマンスーツは自分以外を信じられないトニーが閉じこもる殻だったと言える。
でも、人間は一人では生きていけない。ペッパーがいなければ会社は回らないし倒せない敵もいた。相棒はいらないと言ったが今はローズと言うアイアンマンにとっての相棒がいる。その他にもJ.A.R.V.I.S.やハッピーもトニーにとって必要不可欠な存在。そして『アベンジャーズ』でトニーは自分と同じヒーローとチームを組んで戦うようになる。こうしてトニーはかけがえのない「仲間」を手に入れてきた。
一方でそれまでアメリカ国内の武器商人を中心に戦ってきたトニーは『アベンジャーズ』でチタウリと言う地球外生命体と遭遇。これまでの自分の常識を外れた敵を認識した彼は不安に駆られ、いつ敵が来るか分からない恐怖から常にアイアンマンスーツを手元に置いておかないと安心できないスーツ依存症になってしまう。しかし、そもそもスーツを作ったのはトニー自身。自分の才能を改めて知る事でトニーはスーツ依存症から脱する事に成功する。と、ここまでが『アイアンマン3』までの話。
今回の『エイジ・オブ・ウルトロン』でトニーはウルトロンを開発する。地球外生命体に対する恐怖は依然としてあるが、『アイアンマン3』で自分の才能を改めて認めた彼は、その自分の才能を使って地球外生命体から皆を守ろうと決意。ここで『アイアンマン3』で作ったアイアンマン軍団の発展形が関わり、ウルトロン軍団で地球を守ると言う流れになる。『アイアンマン3』での問題解決が逆に今回の事件を引き起こすきっかけとなったのだ。
最終的にトニーは周りの反対を押し切ってウルトロン計画を進め、それが失敗した後もヴィジョンを誕生させると、これまで会社の社長として、稀代の天才発明家として、たった一人のアイアンマンとして生きてきた彼は、自分の考えと周りの考えをすり合わせられない、自分と周りの間に「線」を引いてしまう事が明かされた。
 
ハルクはある事情で『インクレディブル・ハルク』ではエドワート・ノートンが、『アベンジャーズ』以降はマーク・ラファロが演じている。劇中では役者が違っていても同じブルース・バナーと言う扱いになっているが、やはり役者が変わると色々とキャラにも変化が起きていて、今回の『エイジ・オブ・ウルトロン』ではマーク・ラファロ版『インクレディブル・ハルク』と言える展開が用意された。
役者変更で『インクレディブル・ハルク』の映像を回想で使えないので、今回の話でブルースは『インクレディブル・ハルク』にあったベティとの話を今度はナターシャ相手に行う事となった。そして最終的に『インクレディブル・ハルク』と同じく、ブルースは大切な女性の前から姿を消してしまう。
ナターシャは自分もハルクと同じく「改造された人間」と言っていたが、それでもナターシャは自己を律する事が出来る。同じ「改造人間」でありながらハルクとしての自分を抑える事が出来ないブルースは仲間達と自分との間にある大きな「線」を実感してしまうのであった。気が合っていたトニーに対しても、トニーは科学の力でハルクに対抗できるハルクバスターを思いのままに操る事が出来るのだが、ブルースはハルクの力で街を破壊してしまう。いかに仲間達がブルースも同じヒーローだと言っても、ブルース自身は自分の事をヒーローではなく「化け物」と認識してしまう。
 
地球での生活もすっかり板についてきたソー。
アベンジャーズ』では一人だけ地球以外の人間だったのでどこか離れた感じがしていたが、今回はチームの一員として仲間達と気軽に冗談を言える関係になっている。今回は皆が色々とイッパイイッパイだった中、彼が一番落ち着いていた。
しかし、ソーはアスガルドの人間で皆とは違った情報を手に入れる事が出来る。インフィニティ・ストーンの事を知っていて、今回の話でそれらを集めようとしている存在を感じ取る等、地球人であるトニーやキャプテン・アメリカでは辿り着けない領域に足を踏み入れていく。ここに関しては2017年公開予定の『ソー:ラグナロク』で描かれる事になるのかなと思う。
 
S.H.I.E.L.D.無き後、アベンジャーズのリーダーとなったキャプテン・アメリカ
現在のアベンジャーズキャプテン・アメリカが指揮を執り、トニーが金銭面でバックアップしていると言うツートップ体制で、それをマリア・ヒルが補佐していると言う感じ。ここはニック・フューリーが長官として絶大なリーダーシップを発揮していた以前のS.H.I.E.L.D.と大きく異なっている。
もう一つ異なるのがキャプテン・アメリカは不正や隠蔽を良しとしていないところ。フューリーは正義の為に自らの手を汚す事に躊躇いが無く、隠蔽工作を行ったり裏で強力な武器を開発したり倫理に反する研究を行ったりしていたが、おそらくそう言う事をキャプテン・アメリカはやっていないと思われる。ただし、世の中は綺麗事だけで全てがスムーズにはいかず、色々な難題に直面し、最終的にはフューリーの隠し玉で事態解決がなされる事となる。再びフューリーが関わるようになり、組織も大きくなって大勢の人間が関わるようになったが、それをキャプテン・アメリカがどこまで統制できるのかと言う問題も見えてきた。
 
ブラック・ウィドウは今回の話で遂にその過去が明らかとなった。
強いイメージのある彼女だが、その軸は意外と脆く、何かきっかけがあれば折れてしまうのでは?と言う危うさも感じる。作品ごとに色々な男性との話がある彼女だが、それは彼女が何かにすがろうとしているとも考えられる。そして最終的にはどの男性とも距離を置く結果になっているところが少し気になる。何かにすがろうとしても最後は自分自身の足でしっかりと立ち上がって戦えるだけの強さが彼女にはあり、その強さが彼女を孤独にして苦しめているとも言える。
 
マイティ・ソー』では戦う前に出番が終わり、『アベンジャーズ』では多くの時間が洗脳状態だったりとイマイチ活躍が無かったホークアイが戦うお父さんとして頑張る本作。今回の話ではスカーレット・ウィッチにヒーローとして戦う覚悟を与えた。かつてブラック・ウィドウを救った事もあると言う話なので、今はアベンジャーズから離れているが、家庭を持って精神的にも大人(親)である彼は今後のアベンジャーズを支える重要な人物になるのかもしれない。
 
スカーレット・ウィッチとクイックシルバーの姉弟はかつてトニーが開発したミサイルで家族を失うと言う過去を持っていて、戦争と密接な関わりを持っているアベンジャーズ関係者の暗部を示したキャラだった。その設定の割にトニーとの絡みが殆ど無かったのがちょっと残念。
クイックシルバーの能力は映像作品だと実に良く映える。同じクイックシルバーが登場した『X-MEN:フューチャー&パスト』では周りの速度を落とす演出が採られたが、今回はクイックシルバー自身を目に見えない速度にすると言う演出が採られると、同じキャラなのに見せ方が違うと言うのが面白い。
アメコミ原作では二人は『X-MEN』のマグニートーの子供と言う設定だが、マーベル・シネマティック・ユニバースでは配給会社の関係でミュータント設定が無いので、ヒドラの実験で誕生した改造人間となっている。この辺りは『エージェント・オブ・シールド』で地ならしされていたものが映画にも取り入れられたと言う感じでマーベル・シネマティック・ユニバースの構成の上手さが光っている。
 
そのヒドラだが…、まさかこれで終わりと言うわけじゃないよね?と言いたくなるほどに活躍が無かった。施設の多くをアベンジャーズに破壊され、首領であるストラッカーが殺される等、組織としてはもう壊滅状態のような気が…。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のラストでカッコよく出てきただけにさすがにこれは拍子抜けした。
 
アフリカにあるワカンダと言う国は「ブラックパンサー」と言うヒーローの出身地。
ブラックパンサーは後の映画に登場予定で2018年には単独映画が公開される予定なので、その前振り。
 
アベンジャーズ』でロキが使用していた杖に4つ目のインフィニティ・ストーンである「セプター」が埋め込まれていた事が判明。相手の精神に作用する力があるらしいので、ひょっとしたら、スカーレット・ウィッチの能力開発にも関わっているのかもしれない。
サノスが遂に動き出すシーンがあり、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』へ向けていよいよ話が動き出したと言う感じでワクワクする。
 
今回の敵であるウルトロンは一度見るだけでは行動原理がちょっと分かり難いかもしれない。実は結構簡単で分かりやすい行動原理だったのだが、本作は141分の間に色々な要素が詰めに詰められていたので、ウルトロンがそれらに埋没してしまったところがある。どうしてもウルトロン以外の部分に目が行ってしまうと言う感じ。次の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』での登場キャラの多さを聞いても思ったが、シリーズが続くにしたがってキャラや設定が増えていって、一本の映画に納めるのが困難になってきたのがやや気にかかるところ。(だから『インフィニティ・ウォー』は2部作になったんだろうな)