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ウルトラ38番目の弟

ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、鉄神ガンライザー、ゴジラ、ガメラ、アメコミ映画と色々な事を書いていくブログです。

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966年公開)

ガメラ

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』

1966年4月17日公開

監督 田中重雄

特撮監督 湯浅憲明

脚本 高橋二三

 

ガメラシリーズ第2弾。

「四足歩行の敵怪獣が登場する」「関西が舞台になる」等、ゴジラシリーズの第2弾である『ゴジラの逆襲』を思わせる要素がある。その一方で『ゴジラの逆襲』と違って本作はカラー作品なので、虹色の殺人光線や赤外線と言ったカラーを使った展開が盛り込まれている。

 

ゴジラの逆襲』はゴジラアンギラスの戦いが組まれているが、タイトルに「アンギラス」の名前が無い事からも分かるようにゴジラ再登場が一番のポイントとなっている。それに対して本作は「バルゴン」の名前がタイトルに加えられて新怪獣バルゴンの描写に力が入れられた。

 

バルゴンは近距離から中距離では冷凍液を、長距離では虹色の殺人光線を使う等、攻撃に関しては無敵に近い。一方で弱点も多く、水に弱い為に人工降雨で冷凍液が吐けなくなる、マジックミラー作戦で跳ね返された虹色の殺人光線で自身が傷付く等、工夫次第では人間だけでも倒せそうなのが特徴。劇中では途中で自衛隊は万策尽きていたが、冷凍液と虹色の殺人光線を防ぐ手段は既に確立されたので、後は日本以外の国の軍隊も動員しての物量作戦を展開すれば何とかなりそうな感じにまで持っていけていた。

 

熱エネルギーを求めると言う設定を使ってガメラがバルゴンと戦う流れを自然にして、怪獣作品では意外と大きな問題である「怪獣と怪獣が戦う理由付け」に成功している。

中盤での戦いでガメラはバルゴンに一度敗れるが、その後の人間の活躍で再戦時にはバルゴンは攻撃手段を殆ど失い、さらにダメージを負っていたとして、ガメラが勝利を収める流れが自然であった。

本作はバルゴンの描写がメインでガメラの出番はかなり少ないのだが、徹底的に対比されたガメラとバルゴンの絡ませ方が上手く、またガメラが凍結された間の自衛隊とバルゴンの戦いも最後のガメラとバルゴンの戦いの結果に大きく影響する等、ガメラの出番が少なくてもあまり気にならない作りになっていた。

 

前作と違って本作では子供が出ていないのだが、そのおかげで前作では分かりにくかったガメラの立ち位置を本作では「人間の事は気にせず、ただバルゴンのエネルギーを狙っているだけ」と明確にする事が出来た。

 

人間ドラマに関してだが、大筋を見ていくと伏線も上手く回収しているし、細かい部分もフォローされているのだが、実際に話を見ると微妙にバランスの悪さを感じる。中盤までの戦時中にニューギニアに隠されたオパールを巡る話がバルゴンの話とイマイチ上手く繋がっていないのだ。

小野寺達の行動でバルゴンはニューギニアから日本に持ち込まれて孵化し、さらに赤外線による特異体質になり、バルゴンを琵琶湖に沈める作戦も小野寺の身勝手によって失敗する等、小野寺達の行動が物語を進めてはいるのだが、当の小野寺が怪獣には興味が無くてあくまで宝石を狙っていたので、小野寺が出る場面ではどうしても怪獣の話は脇に行ってしまっている。

後半に入ってバルゴン対策を持って圭介とカレンが日本にやって来て自衛隊と協力するようになってからはバルゴン対策で話がまとまるのだが、いかんせん、この展開になるのが遅く、また、小野寺の行動に比べて圭介とカレンがバルゴン対策に関わるまでの過程がやや雑に描かれているのが残念。

個人的な意見だが、本作は必要以上に小野寺の描写に力を入れ過ぎた感じがする。小野寺の話自体は面白いのだが、『ガメラ対バルゴン』と言う話に必要だったのかとなれば、もう少し抑えた方が全体のバランスは良くなったと思う。

でも、主人公の圭介を単なる善人にしなかったり、逆に悪人にカテゴライズされそうな川尻や小野寺や圭介の兄を単なる悪人ではない一人の人間として厚みを持たせたり、モブも単なる状況説明係に終わらせないセリフ回しが用意される等、人間一人一人の描写は実に面白かった。

 

それにしても本作で驚いたのはバルゴン誕生の経緯。

日本に怪獣数いれど、水虫の治療器で誕生した怪獣はバルゴンくらいだろうな。